サクラヤスユキ「POWER SCULPTURE ― THE KABUTO PROJECT」はカブトムシの角(ツノ)型の彫刻とその角を兜(カブト)として装着したマッチョな男たちがふんどしをしめ、激しくぶつかりあう姿が強烈な写真作品、そしてCGで作られた展開プランの3つの要素で立体的に構成されています。SICFでは、プロダクツとしての高い完成度とプレゼンテーションの迫力、そして作品全体にあふれるシュールなユーモア感覚が来場者に強い印象を与え、審査委員の高い評価を得ました。
鋭さを持つ先端部とそれにいたる流麗なラインをもつカブトムシの角のシンプルで明確なフォルム。"最強の彫刻"―THE KABUTO PROJECTは「強いことこそ美しい」と考える彼の世界観を強く反映しています。この作品を通じて、コンパクトに凝縮されたひとつの形態からみなぎる生命力を表現しました。そして、角の彫刻に劣らない強いインパクトを与えるのは"最強"にこだわった写真作品です。筋骨隆々のマッチョな男たちが角を頭上に、必死の形相で騎馬戦の体勢をとって戦う。彼はボディビルダーに声をかけて協力を求め、スタジオを借り、プロカメラマンによる撮影を行いました。展示の傍らには入念にポージングをシミュレートする無機質なCGを配置し、作品世界を多層的に展開。アーティストの制作に対するエネルギーと独自の美意識が作品のクオリティの高さとなって表れました。
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
Photo:Katsuhiro Ichikawa
