佐藤誠高がSICFに出展したのは、一見写真とも見間違えるほど高度な技術でリアルに描写した絵画作品。描く対象に若干の歪みが加えられているので、鑑賞者に違和感を感じさせる作品です。本展では、"赤ちゃん"と"女子高生"を題材とした大型の新作、3作品を発表しました。展覧会のタイトルにある「グレイ」は、確かなものとして見ている世界が、実は不確かなものであることを発見したときの、違和感や曖昧さを表しています。
「"写真-絵画" "現実-非現実" "自然-人工"といった対極的にあるそれぞれの項目の境界を曖昧なものとし、一つの世界・一つのものの中にバランス良く融合されることを意識して制作しています。それぞれの項目のどちらの意味とも解釈できる、またはどちらとも言い切れない微妙なバランスで融合させることにより作品の中に"違和感" "曖昧さ" "矛盾" "歪み" 等といった抵抗感が表出するのではないか。"赤ちゃん"や"女子高生"のような活発で無邪気なイメージを題材にすることで、より違和感が強調されるのではないか」と作家は言います。私たちを取り巻く現実を「みる」行為について、改めて考えるきっかけを与えてくれる作品です。
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
Photo:Katsuhiro Ichikawa
