2009年5月に開催した第10回SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエーターズ・フェスティバル)でグランプリを獲得したアーティスト酒井翠の個展を開催しました。
酒井翠は8月1日〜31日までの31日間を、絵日記を描くために使用したクレヨン31箱で表現したインスタレーション「えにっき 08/01〜08/31」でグランプリを受賞しました。
ピンクのクレヨンばかりが短くなった日、12色が一様に減っている日。
酒井は、「残されたクレヨンから、作家が過ごした一日を鑑賞者に想像させる」というコンセプトから本作品の制作をスタートしました。ところが、日々、絵日記を描くという連続した行為を繰り返すうち、いつの間にかクレヨンの上に絵を描いてみたり、連続するクレヨンで物語を語ってみたり...。クレヨンは、コンセプトを置いてきぼりにして一人歩きを始めます。
この作品は、「本来のコンセプトが、行為を通じて次第に変容していく」さまを表現しています。
SICFでは、色とりどりのクレヨンがリズミカルに配置された作品の美しさに加え、幾層にも重なり鑑賞者を作品世界に引き込む巧妙なコンセプトが高く評価されました。
今回の展覧会では、「えにっき 08/01〜08/31」の期間を3か月に延長した発展型である「えにっき 08/01〜10/31」と、これまでの作品の中でも作家が注目してきた「声」を扱った新作「こえにっき 08/01〜10/31」を発表。完成度の高いプレゼンテーションと、制作過程で生じるコンセプトのズレさえも包含した自由な作品世界を展開しました。
【酒井 翠 】
早稲田大学第一文学部演劇映像専修卒業。
大学ではサミュエル・ベケット作品を中心に研究。
また、在学中より小劇場を中心に役者として活動する。
2004年より役者業と並行して、アーティストとしての活動を開始。
ジャンルに囚われず、さまざまな形態の作品を発表している。
【SICF】
SICF(Spiral Independent Creators Festival)は、 毎年スパイラルホールにて4日間に渡り開催される、若きクリエーターたちの独自の創作活動を広く紹介するためのイベントです。スパイラルが、クオリティの高いクリエーターとその才能を求める来場者とのプレゼンテーション& コミュニケーションの場となります。
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