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exhibition

art-life+ vol.8

手塚愛子「薄い膜、地下の森」

期間:2007.01.05~01.08
会場:スパイラルガーデン

新しい絵画表現を模索する手塚愛子。世界中の様々な文様を引用し、新たな組み合わせの図像を5万本の糸で縫い上げる新作を発表しました。スパイラルガーデンの空間特性を生かして創り上げられた直径7mの巨大な作品は、宙に浮き、上部には刺繍の文様を、株には刺繍の背後にある大量の糸が社会の縮図を表す森を形成しています。

手塚愛子は、ジャガード織りを解き、その表面に潜んでいた長い糸を取り出し再構成した平面作品で広く知られています。彼女は、描く、縫う、編む、解くなど多岐に渡る表現を行い、本来、完成した平面作品の表面には現れることのない制作過程の中で取り除かれるものを創出する新しい絵画表現を模索しています。

スパイラルでは、極太の毛糸で描く直径7mの巨大な刺繍の図像をアトリウムの宙に浮かべ、この空間の特徴的な高低差から生じる別々の視点を活用する立体的な平面作品の新作を展開。上部にはスロープに上がることで全体像を見渡すことができる刺繍の文様、下部には刺繍の文様に沿って制作過程で残された莫大な量の糸による道が作り上げられました。そこは迷路のような糸の道になっており、上部に描かれた文様を作品の内側から立体的に体験することができます。

これらの作品を通じて、普段は整然と見え、気がつかなかったり、見過ごしてしまったりするような「社会」の背景にあるものをよく考えるきっかけを提案しました。

主催:株式会社ワコールアートセンター
素材協力:ハマナカ株式会社、株式会社日の出テント、株式会社山口忠兵衛商店
制作協力:池谷保、横内賢太郎、船井美佐、玉垣雅也、川上雅史、西田菜々子、朴賢京、村上滋郎、龍門愛、小田友子、本宮鈴子、谷澤紗和子、羽部ちひろ、樫木知子、岡田美紀
企画制作:スパイラル

Photo:Katsuhiro Ichikawa