SOIL&"PIMP" SESSIONS ニューアルバム『6』リリース記念
スペシャル・インタビューfeat. みどりん

Q. まず、ずばり『6』はSOILの現時点での最高傑作だね。
みどりん(以下M). でしょ(笑)。
Q. もうバンドも長いし、アルバムとしても6枚目だから、今までの自分たちを乗り越えていく事が命題になってくると思うけど、それを自然体でやり遂げた感じがしたな。
M. 今までもそうだったのだけど、6人の音でどれだけ勝負出来るか?という事をずっとやって来てるから、『6』もその延長線上にあるものだと思う。毎回そうなんだけど、今自分たちの中での旬なサウンドの形と言うのを詰め込んだ、というのが正直な所だね。もうこの6人長いし、お互いの事も分かっているから、「こんな事も出来るんじゃない?」というアイディアが出てくるのは自然な訳で。別に「こういう変化球を投げようぜ」って言って意図してやっている訳では無く、例えばリハの時に出てきた曲だとか、アイディアだったりを「これ面白いね、やろうよ」という所から始めて、それが13曲集まってこのアルバムになった感じかな。だからホントに自然な流れでアルバムが出来たんだよね。
Q. 確かに奇をてらった感じでは無くて、自然体で作られた感じがするよね。では、次の質問。"サウンド"という部分にも、相当こだわったのが感じられるね。
M. そうだね、特にミックスには相当こだわった。はじめにエンジニアの池田さんがミックスしてきてくれたものを聴かせてもらって、それからまた更に自分達のイメージを正直に伝えて、池田さんもそれに答えて返してくれて。

Q. サウンドに関するイメージも、6人が共有出来ていたと?
M. そうだね。皆で「この曲はこういうイメージで聴かせたい」というのを固めて、それを池田さんに伝えて。例えば3曲目のカバー曲"PAPA'S GOT A BRAND NEW PIGBAG"だと「大きなフェスで鳴らされている雰囲気で」って伝えて、その意向に沿ってミックスしてくれたんだよね。
Q. 確かにあの曲は臨場感が出ているよね。
M. そういう意味では、前作『PLANET PIMP』の音像を復習したと言えるかも。あの作品でサウンドに関して色々試せたから、そのアイディアが自分たちの中で消化出来て今作に繋がったと言えるね。でもやっぱり6人が出している音に他ならないから、自分たちの音に更に自信を持って演奏に望めたというのが一番大きいよね。個人的な見解だけど、6年もやって来ているからメンバーそれぞれ聴く音も変わっているし、例えばタブさん(タブゾンビ : TP)が今聴いている音楽だったり、元さん(元晴 : SAX)が衝撃を受けた音楽だったり、それが秋田くん(秋田ゴールドマン : B)だったり、丈青(PF)だったり社長(アジテーター)だったり、オレもそうかもしれないけど、皆がそれぞれが聴いている音楽に影響を受けたり、与えたりして、それが上手くバンドに作用している部分はあるよね。
Q. メンバーそれぞれが持ち寄ったCDを聴いたりする事ってあるの?
M. リハのスタジオで「こんなのあるんだけど、聴いてみない?」って皆で聴いたりしている。そういうのを積み重ねた結果だったり、それぞれのセッション活動とかが、SOILにフィードバックされて、音楽の幅を拡げて行くきっかけになっていると思う。「ジャズはこうだ」とか「レゲエはこうだ」という次元では無い所で話が出来るから。
Q. このメンバーだとね。
M. そう。色々な音楽のミックス加減というか。それがどんどん蓄積されて、懐が大きくなっていって、その抽き出しを皆がとことん開きながら、『6』は生まれた作品だと思うよ。
Q. メンバーそれぞれのカラーだったり、今の気分や感覚が誇張される事無く、すんなりと曲にミックスされている感じがするよね。
M. 「こんなのどうかな?」っていう誰かのアイディアに対して、「とりあえず試してみよう」という姿勢が皆にはあるから。その結果と言えるかも。
Q. 自分たち的に、「この曲がアルバムの肝だ」っていうのはどれかな?ホントは全部って言いたい所だろうけど(笑)。
M. そうだな・・・全部そうなんだけど、やっぱりライナーにも書いたけど7曲目の"QUARTZ AND CHRONOMETERかな。これはやっぱり肝だと思う。このサウンド。今まで6人の肉体で音を出してきて、録り音にもこだわって、というのをやってきたけど、それがどんどん電子音に浸食されていく感じ。でも電子音が入ってどうのっていう訳では無く、6人のサウンドのカラーは残しつつ、スクエアなビートで筋肉隆々なサウンドを出せたっていうのは自信に繋がったよね。でも、演奏しているマインド自体は今までと全く変わらないのよね。
Q. こういうサウンドに仕上がったのも、自然な流れだなんだろうね。
M. そうだね。あとは6曲目の"POP KORN"かな。パーティ感と憂いの2面性というのがSOILの持ち味だと思っているんだけど、もっととことん「パーティ感覚でやってみよう」という感じがストレートに出せたよね。それでもやっぱり2面性も残ってたりして。ようするにどんな事をやってもSOILの音に出来る、という自信に繋がったかな。まぁ、でも全部なんだよなぁ(笑)。10曲目の"MIRROR BOY"なんかも・・・
Q. "MIRROR BOY"カッコいいよね。個人的にスゴく印象的だった。
M. あの曲も良いよねー。
Q. 自分的にはどうですか?あのドラム・ブレイクは?(笑)
M. (控えめに)アリじゃないですか?(笑)
Q.(爆笑)いやいや、そうじゃ無くて、自信作ですか?(笑)
M. 自信作ですね(笑)。あの曲は社長のアイディアを基に、それぞれのアイディアを足していった感じ。
社長にとっては、ブギーやディスコに対するオマージュ的な捉え方があるんだろうね。
Q. それをSOIL流に表現したっていうね。
M. そう。でも別に懐古主義に陥ってないし、そんな事全然考えて無い。だだ今このサウンドが出来るから楽しい、というだけだし。
Q. それと同じ意味で、3曲目の"PAPA'S GOT A BRAND NEW PIGBAG"もカバーだけど、完全にSOILの曲になってるよね(笑)。

M. そうだね。今回のアルバムの曲は、どれを聴いてもテンションが上がるよ。思い入れが強い。ヨーロッパツアーの前からずっと作業してたし、帰ってきてからもやってたから。
Q. 時間をかけたけど、全然散漫になって無いよね。良いテンション保ってフィニッシュまで持っていった感じがする。
M. 色々な所でライブをやってきた事が自信に繋がっていると思う。今回のヨーロッパ・ツアーもそうだし。「なにやってもSOILの色が出せる」っていう自信にね。
Q. 確かにそういう自信や余裕は今作から感じるな。
M. どんな時も目一杯、演奏してるけどね。でも、アルバム作る度にドラム・パターンが難しくなるのがちょっと・・・。
Q. ちょっと?(笑)。あのー、ちょっとって何ですか???
M. まぁ練習が必要かなと・・・。
(共に爆笑)
M. まぁ、色々と考えた時もあったんだよ、「SOILらしさって?」とか、「SOILの中での自分の役割とは?」とかね。でも、今回のアルバムでそれが全部吹っ切れた。
Q. うん、そういう意味で余裕を感じる。
M. ホントに今回のは、自分等の内から生まれたサウンドだから、1曲1曲とても愛おしいし、1曲1曲のヴィジョンというのが更に確実に掴めていると思う。
Q. SOILはこれからどう進化していくと思う?
M. やっぱり色々な音楽がある中で、自分達が本当にカッコいいと思えるものをリリースして行きたいね。今これが流行っているからこれだ、という単純な事じゃなくて、本当にカッコいいと思えるものを吸収して、自分たちのフィルターを通して表現して行きたい。バンドの肉体で音を奏でられるような事をどんどんやって行きたいね。それは、6人で色々なサウンドが生み出せるのが楽しいから、という所に他ならないんだけど。
Q. 単純に、楽しいからやっている、という姿勢が良いよね。
M. そこ、一番よね。
Q. ではでは、SOILのファンやみどりんの演奏が好きな人にメッセージはある?
M. よく遊びましょう!(笑)。色々なものに触れて、色々な部分の感性を磨き続けて欲しいね。そして、何が良いものなのかを、自分で判断出来るようになって欲しい。ドラミングに関してもそうだけど、答えは無い訳だから。自分もまだ途中だし、出来ていない所は一杯あるけど、感性を磨き続けたいと思ってるよ。その感性ってむしろ、遊びの中で育まれることの方が多いと思うから。練習と同じ位、遊ぶ事に時間を掛けて欲しい。あとはSOILの音楽や、オレのドラムを聴いて貰って、そこから「この人達、どんな音楽を聴いているのかな?」って、色々な音楽を掘り下げて行ってくれたら良いな。SOILをきっかけに、色々な音楽を好きになって欲しいね。
Q. 本当に色々な音楽の要素が含まれているからね。既にSOILが、色々な音楽を聴くきっかけになっていると思うよ。
M. 更にそうなってくれてると嬉しいな。
Q. では最後に、アルバムをリリースした後は全国ツアーが控えているね。
M. そうだね。やっぱりライブを観て欲しいな。
Q. アルバムの曲がどういう風に変化して行くのかをね。
M. その違いも楽しんで欲しいし、あとは一緒に音で遊ぼう!っていう感じだね。
Q. で、最後にみどりんコールお願いします!って(笑)。
M. はい、全会場で!(笑)。何かイヤだなー自分で言うの・・・。
(共に爆笑)
M. ファンの皆にSOILの成長過程を見て欲しいし、一緒にライブを作って楽しみたいね。
Q. そこが醍醐味だからね、このバンドの。バンドとお客さんのパワーが反応し合ってライブが作られていくという所がね。
M. うん。同じ曲を演奏するのでも、その場の雰囲気で全然変わるしね。そういう部分は非常にジャズ的で面白いと思うな。是非『6』を聴いて、ライブにも遊びに来てください!
Q. 今日はありがとう。
M. こちらこそ。
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¥2,800(税込み)
text by みどりん
「ECM」1969年にプロデューサーMANFRED EICHERによって設立されたレコード・レーベル。 ジャズ / クラシックを軸に先鋭的な音楽を展開。その独自の透徹した響き、テクスチュアに信奉者も多い。





