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「Wear your life」

「+S」Spiral Market 大阪タカシマヤ OPEN 記念展示
2022.11.2-11.15

私たちと、いつも一緒に暮らしている「服」。
身体に寄り添ったり、心を解放したり、メッセージを主張したり、ルールで縛られたり。服は、私たちの生活であり、社会そのものでもあります。

本展では、服や衣類を独自の目線で捉えたSICF出身アーティストによる多彩な作品をご紹介します。

出展作家は、下着など柔らかな衣類を精緻に彫り、そこに横たわる思い出や生きる痕跡を陶で永続的に留める山本優美(SICF15)、愛着のある衣服を実物大の版画に刷り、距離感を変えることで、個人の所有物が持つ意味や価値を考えさせる古屋真美(SICF22)、大量生産品の輪ゴムを編んで唯一無二の美しいドレスを創り出し、機能と希少性という固定観念を揺さぶる坂本理恵(SICF22)、現代の古着を「木目込み」という伝統的な技法に応用し、着ていた人のアイデンティティや時間を可視化させる谷敷謙(SICF21)、そして複数の顔を持つ頭部彫刻の周囲に普段着の小さな人々が立ち並び、喜怒哀楽溢れる人生を彷彿とさせる植竹雄二郎(SICF22,23)の5組。

彼らの作品は、快適に暮らす機能として、ありたい自分をつくり出してくれる装いとしてだけでなく、人々の思いが交差する、営みの存在証明としての価値、 見過ごしていた可能性が服にあることを私たちに気づかせてくれます。

アーティストたちの視点を通じ、日常生活に新たな価値観を取り入れる一助と なれば幸いです。

■ 開催概要

「Wear your life」
会期:2022.11.2(wed) - 11.15(tue) 10:00-20:00
*11.15(tue)は展示入れ替えのため18:00まで。
会場:大阪タカシマヤ POP UP STATION
大阪府大阪市中央区難波5-1-5 大阪タカシマヤ3F


*開催にあたり、スパイラルマーケットではお客様およびスタッフの安全と健康に配慮した感染拡大予防対策をとっております。
*開催時の状況により、一部内容を変更する可能性があります。
*営業状況など詳細はトップページをご確認ください。

■ プロフィール
植竹雄二郎/Uetake Yujiro
学生時代は人ばかり作っていた。特に首像の表現に惹かれた。作品を制作する中で「人とはなんだろう?」という疑問が湧いてきた。調べてみると哲学的な分野で、興味深く、感銘を受けた。中でも哲学者ジル・ドゥルーズ(著 差異と反復)など、メタモルフォーズを示唆する内容の哲学は自分が追及するべき事のように思えた。また、哲学とは自分という存在を前提に論じられるものだ。「人とはなんだろう?」という疑問を原点に Metamorphose(変形 変身 変化)Philosophy (哲学) Myself(自分自身)をメインテーマに自分の彫刻を追及していきたい。

2015年 武蔵野美術大学彫刻学科 卒業

主な展覧会
兆し展(Gallery KINGYO / 2019)
interactive-YOUTH-(ギャラリー檜 / 2020)
コンシン展(2020)
SICF21(スパイラルホール / 2020)
第24回岡本太郎現代芸術賞展(2021)

主な受賞歴
国際瀧富士美術賞
 (2014)
第24回岡本太郎現代芸術賞展 特別賞(2021)
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Website
坂本理恵/Rie Sakamoto
機能性や希少性にものの価値観を重視している現代に誰も気づかない性質を模索し、アートとして展開したいと思い着想に至った。機能性が特化しているものの大量生産されているため、人々に大事に扱われていない輪ゴムに目をつけた。洞察すると多くの機能性に気づく。質感、高弾力性、透け感、美しい飴色に気づいた。輪ゴムを結んで糸状にして編み、太陽の光で透かした。まるで人間の血潮のように美しく生命のようなものを感じた。この美しさは輪ゴムにしか出せない。人々の価値観に訴えられる身近な服を選んだ。布の伸縮自在の域を超え、多様な体型にもフィットする輪ゴムの価値を見出した。輪ゴムの重さなどを踏まえて実用的というよりは、コレクションのような人々を驚かせるエンターテイメント性溢れる現代アート作品としてブランド展開した。

1997年 熊本県生まれ
2020年 多摩美術大学統合デザイン学科卒業

主な展覧会
多摩美術大学助手展2021(多摩美術大学 / 2021)
SICF(スパイラルホール / 2021)
SAKAMOTO ENTERTAINMENT solo exhibition(SPACE BANKSIA / 2022)
GEISAI#21(東京ビッグサイト / 2022)
HOLBEIN ART FAIR 2022(渋谷スクランブルスクエア +ART GALLERY / 2022)

主な受賞・入選歴
多摩美術大学統合デザイン学科卒業・修了制作展2020 銀賞(2019)
SHIBUYA AWARDS 2021 入選(2021)
アートオリンピア 入選(2022)
muni art award 2022 ファイナリスト(2022)
長亭GALLERY展2022 入選(2022)
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古屋真美/Mami Furuya
個人の所有する衣服をモチーフにリトグラフを制作、それらとの適切な距離を考えている。私の持つ衣服のほとんどは大量生産の既製品であるが、一着一着に名前をつけたくなるくらいの愛着を持っている。描画・製版を経て、印刷物として軽くなったその服は、複製された版画作品である。 それでもなお 個人的感情を切り離せないでいる。モチーフとなった衣服と、版画となって展示された衣服。 それぞれに刻まれる皺やきずは、全く同じと成り得るのか。 どれほど版に描き、どれほど紙に刷りとっても 複製できない出来事をわたしはずっと身につけていたいと思う。

1994年 山梨県生まれ
2020年 武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程美術専攻版画コース卒業
2021年 版画工房「LITTLE PRESS STUDIO」オープン

主な展覧会
古屋真美 展(JINEN GALLERY / 2018)
第44回全国大学版画展(町田市立国際版画美術館 / 2019)
Street Museum TOKYO MIDTOWN(東京ミッドタウン/2020)
違和感を身につける (LITTLE PRESS STUDIO / 2021)
START ART PRINT ( +ART GALLERY 渋谷スクランブルスクエア / 2021)
SICF22 (スパイラルホール / 2021)
tiny escape (PLAIN PEOPLE青山、京都、六本木、東急プラザ銀座 / 2021-2022)
SICF22受賞者展(スパイラル / 2022)
キュレーターズ・アイ 古屋真美展 (山梨県立美術館/2022)
かえらない部屋(WATERMARK arts & crafts/2022)

主な受賞歴
「International Lithography Days/Münchner Künstlerhaus」 入選 (2018)
「TOKYO MIDTOWN AWARD 2019 アートコンペ」 優秀賞 受賞(2019)
「SICF22 EXHIBITION部門」スパイラル奨励賞 受賞(2021)
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谷敷謙 /Ken Yashiki
谷敷謙は、木目込みという日本固有のテキスタイルの技術をペインティングの手法として捉え直し、 新しい絵画表現の実施をしている。江戸時代にルーツを持ち、寺社建築の端材を人形に用いることで 生まれた木目込みを、谷敷は自身の経験をベースにしながら再解釈し、使用する素材を古着や廃材に絞り、 元々の持ち主に由来する身体性、時間、生の感覚、そして素材となる古着が元来そなえていたブランド コンセプトを汲み取り、絵画という形態に置換しながら語り継ぎ、それと同時に祈りや願いを込めるという木目込みや伝統工芸の特有の文化や価値を現代へとリプレイスしている。

1983年 東京生まれ
2009年 杉野服飾大学 卒業

主な展覧会
-THE POWER OF CHOICE-(新宿伊勢丹 東京 / 2020)
-intersection of UNIQUE CLOTHING WAREHOUSE-(UNIQLO TOKYO 東京 / 2021))
個展 ’touch point’(ワコールスタディホール京都 / 2021)
個展 “FLOW & CONNECT”(HIRO OKAMOTO Art Gallery 東京 / 2022)
ART TAIPEI 2022(台北 / 2022)

主な受賞歴
JFW JAPAN CREATION TEXTILE CONTEST 2008 新人賞(2007)
ユザワヤ創作大賞展 グランプリ(2018)
ART OLYMPIA 2019 優秀賞(2019)
SICF21 オーディエンス賞&ワコールスタディホール京都奨励賞(2020)
ART OLYMPIA 2019 優秀賞(2019)
神奈川県美術展 工芸 大賞(2021)
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山本優美/Masami Yamamoto
強い存在感と脆さを同時にあわせもつ焼き物は、わたし(あるいは他者)が確かに「在る」という実存的な感覚と非常によく共鳴すると直感的に思う。現在取り組んでいる一連の作品は、素材やプロセスに対する考察から、焼き物を「記憶メディア」として捉え、中古の衣類や日用品を観察し、かつての持ち主たちの気配、現代に生きる人々の生の痕跡を焼き物に記憶させるというシリーズである。中古の衣類の皺などを観察し柔らかい粘土に彫り込んでいく。粘土は焼成という過程を経ることで固く変質し、与えられたイメージを頑ななまでに維持する、すなわち「記憶する」性質を備えている。確かにそれらの衣類を身に纏っていたであろう人々の存在と私の時間が混ざり合っていく感覚。焼き物によって象られた日用品は、私たち自身の存在と共鳴しながら、個としての絶対的な孤独や哀歓を抱えた現代に生きる人々の姿を映しだす、人間の想像力のための記憶メディアとなる。

1983 年 大阪生まれ 神戸育ち
2007年 金沢美術工芸大学美術学部工芸科陶磁専攻卒業
2009年 ベルギー国立ラ・カンブル美術大学セラミックコース 修士課程修了

主な展覧会
コレクション展1「Nous ぬう」(金沢21世紀美術館 / 2016)
MATERIAL×ART(石川県伝統産業工芸館 金沢 / 2018)
美の予感 −∞directions−(日本橋高島屋・各店 /2019)
CADAN showcase 02 -Summertime Blues'2020(CADAN 有楽町 / 2020)
個展「コロモガエ / out grow」(Gallery OUT of PLACE TOKIO / 2021)
個展 「日常は薄光りする」(Gallery HAYASHI +Art Bridge / 2022)

受賞歴
Talente2009 国際工芸・デザインコンペティション ベストアーティスト賞(2009)
広島市現代美術館ゲンビどこでも企画公募 橋本麻里審査員賞(2013)
「SICF15 EXHIBITION部門」グランプリ 受賞(2014)
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