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スパイラルが主催する公募型アートフェスティバル「SICF*」の出展作家を中心に、ご紹介するシリーズ「SPIRAL Creators File」。
今回は、日頃より街の壁を観察、写真に撮影し、収集することをライフワークとしている新村葉月(SICF22出展)をご紹介します。
新村は、時間とともに蓄積され、"痕跡"として人々の行為や感情などが残る街の壁を読み解き、絵画として再構成。ペンキやラッカースプレーなどを用いて、看板やコンクリートの質感を丁寧に表現しています。
作品のほかにも大阪などで撮影した壁の写真集をご紹介します。みなさまのお越しをお待ちしております。
*SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)は、スパイラルが主催する若手作家の発掘・育成・支援を目的とした公募展形式のアートフェスティバルです。
街の中にある壁を、じっくりと見たことはありますか?
落書きやシミ、はがれた塗装、金属のサビ、ガムテープの跡など・・・
汚いと思われがちですが、これらの痕跡が調和した美しい瞬間があります。
そこに何かが存在した記録=痕跡が、壁の表面で層となり、魅力的な調和を生み出す。
わたしはその瞬間を探して、路上観察を10年以上続けています。
また観察を通して収集した痕跡を、画面上で再構成し、そのような美しい瞬間があることを絵画で表現しています。
本展が、見慣れた街を新たな目線で見つめるきっかけとなれば嬉しいです。
新村葉月