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みょうじなまえ「バベルとユートピア」

SICF23 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展
2023.5.10 − 25 (グランプリアーティスト展会期延長: 5.26まで)
参考作品《人形の家》(2022)ミクストメディア

若手作家の発掘・育成・支援を目的として 2000年から 開催しているアートフェスティバル「SICF(スパイラル・ インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」の第23回EXHIBITION部門グランプリ受賞者の個展を開催します。

みょうじなまえは、自身に与えられたジェンダーとこれまでの経験を契機に、女性の身体や性、アイデンティティと、その消費をめぐる問題をテーマに作品を制作しています。
しばしばモチーフとして登場する女児向けの玩具や、その趣向を過剰なまでに強調する表現は、幼少期の段階で刷り込まれていくジェンダーの存在を示唆するとともに、私たちが様々な「らしさ」に制約されて生きていることに気付かせてくれます。
近年は、自身の体験に加え、神話や戯曲などの物語を題材に、映像や立体作品など様々なメディアを演劇空間のように配置する重層的なインスタレーションを展開。私たちが内面化しているジェンダーやセクシャリティ、あるいは家族といった現代が抱える多様で複雑な問題を作品に内包させています。

本展では、社会構造に潜む性を含んだ暴力の問題をテーマに、古代ローマ詩人・オウィディウスの叙事詩『変身物語』や、ギリシャ神話の怪物などを題材とした映像インスタレーション新作を発表します。

同時開催で SICF23 EXHIBITION 部門の受賞者 9 名による作品展示も行います。

 

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新作について

社会構造に潜む性を含んだ暴力の問題をテーマに、神話やおとぎ話の視座を介した映像インスタレーション作品を発表します。古代ローマ詩人・オウィディウスの叙事詩『変身物語』や、ギリシャ神話の怪物であるセイレーンやメドゥーサといった古くから伝わる異形のものたちの起源を、独自に解釈をしながら、つなぎ合わせていくことで、過去から現在に至るまで歴史の中で周縁化されてきた女性たちにまつわるいくつかの物語を描き出します。

■ SICF23審査員コメント

荒木夏実/キュレーター
みょうじなまえさんの作品は、自身に割り当てられたジェンダーや身体への自意識や違和感、社会から課せられるステレオタイプなイメージを「ジュエル(宝石)」という、安っぽいキラキラしたファンシーな物質を使って強調するものでした。これまでのみょうじさんの展示にもしばしば現れる、体当たり(?)の「出産」シーンもキッチュで嘘くさい。キモ可愛いおもちゃに着せ替え人形よろしく「キラキラ」を纏わせる「ごっこ遊び」にも薄気味悪さが漂う。女性性や身体、趣味や趣向に一度疑いの目を向けてみるという、アートのもつ政治的視点が際立っていました。

■ プロフィール
みょうじなまえ | Namae Myoji
過去の体験を契機に、女性の身体、性、アイデンティティと、その消費をめぐる問題をテーマに作品制作を行なう。
2019年東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻油画入学、2022年同大学院自主退学。主な受賞歴に、「CAF賞2022」金澤韻審査員賞、「SICF23 EXHIBITION部門」グランプリ(2022)など。主な展覧会に、六甲ミーツ・アート芸術散歩2022、個展「Some Fairy Tales」(2022/Taku Sometani Gallery/東京)など
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Instagram
■ 開催概要

SICF23 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展
みょうじなまえ「バベルとユートピア」

会期(会期延長)2023 年5月10日(水)– 25日(木) 26日(金)11:00 – 20:00
会場スパイラルガーデン(スパイラル1F)
   東京都港区南青山5-6-23
入場無料

お問い合わせ03-3498-1171(スパイラル代表)
主催 : 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル
協力 : CG-ARTS、松村工芸株式会社
グラフィックデザイン : WALTZ. LLC

Column

自身の過去の体験をもとに女性の身体、性、アイデンティティと、その消費をめぐる問題をテーマにインスタレーション作品を手がけてきた、みょうじなまえと、展覧会の企画や著書を通して美術とジェンダーの取り組みに光を当ててきた笠原美智子による対談インタビューを実施。個展「バベルとユートピア」の最新作を含む、みょうじの作品の裏側にあるエピソードや活動の根幹にある思いを探ります。

【同時開催】
SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展

グランプリアーティスト展と同時開催でSICF23 EXHIBITION部門の受賞者9名が作品を展示します。

参加アーティスト:鍛治瑞子(準グランプリ)、山本アンディ彩果(準グランプリ)、アレトコレ ココ(荒木夏実賞)、上野悠河(大巻伸嗣賞)、ばば ゆうた(鈴野浩一賞)、浜崎真帆(廣川玉枝賞)、櫻井隆平(スパイラル奨励賞)、大越智哉(デイリーアート賞)、君とバラ色の人生ズ(オーディエンス賞)

会期 : 2023 年5月10日(水)– 25日(木)11:00 – 20:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン (スパイラル1F)
入場無料

お問い合わせ03-3498-1171(スパイラル代表)
主催 : 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル
協力 : CG-ARTS、松村工芸株式会社
グラフィックデザイン : WALTZ. LLC

 
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山本アンディ彩果 _準グランプリ.png
アレトコレココ_荒木夏実賞 .png
上野悠河_大巻伸嗣賞.png
ばばゆうた_鈴野浩一賞.png
浜崎真帆_廣川玉枝賞.png
櫻井隆平_スパイラル奨励賞.png
大越智哉_デイリーアート賞.png
君とバラ色の人生ズ_オーディエンス賞.png

◼️ 出展者一覧

 
 
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時とともに、場とともに、移り変わる柔らかい風景。 
光を纏う空間に包まれて、幾重もの記憶が重なり合う。_鍛治瑞子 

 

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2006年 法政大学大学院 工学研究科建設工学専攻修士課程修了
大学・大学院にて建築を学び、建築設計事務所、妹島和世+西沢立衛/SANAAにて、国内・海外のプロジェクトを担当。事務所を退所後、文化服装学院にて服飾を学び、ニューヨークにて劇場系のコスチュームデザインを行なう。帰国後独立(Atelier MIZUKO KAJI設立)。空間として表現することを軸に、建築・服飾・舞台、3つの経験を持つからこそ生まれる、それらの分野を横断、融合した作品づくりを行なっている。

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2022年 「SICF23」EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京)準グランプリ
2021年 「いちはらアートXミックス2020+」体育館改修及び作品展示(月出工舎/千葉)
2019年 「Awave」公演の会場デザイン・照明計画・衣装(両国門天ホール/東京)
2016年・2017年・2019年 「VISUALITY」・「EVERGREEN」・「CACCIA AL TESORO」公演の衣装(Queens Theater/ニューヨーク、アメリカ)

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日々の出来事を記憶するたび、私の中の本棚に一冊ずつ本が増えていくような感覚がある。過去の記憶が思い出せなくなった時、あぁ、もう二度と読み返すことのできない物語になってしまったんだなと思う。忘れられた物語は少しずつ読み物ではなくなって「ただ美しいもの」として私の中にずっと存在していく。_ 山本アンディ彩果

1C0A5738s.jpg Photo : コムラマイ

1992年 神奈川県生まれ
2016年 多摩美術大学 情報デザイン学科情報デザインコース卒業
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2022年 「SICF23」EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京)準グランプリ
2021年 「食と現代美術 vol.8『アートと食と街』」(BankART Station/神奈川)
2020年 「Our Stories – つながり、つむぐ私の物語」(スパイラルガーデン/東京)
2019年 個展「永恆的故事」(The Pier2 Art Center/ガオシオン、台湾)
2018年 「黄金町バザール2018 −フライング・スーパーマーケット」(横浜黄金町/神奈川)
2017年 「JART7TH Japanese Emerging Artists Exhibition」(WAH Center/ニューヨーク、アメリカ)

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「ワイントップアート」捨てられるはずのワインの蓋やコルクを素材とし、着色はせずに、素材の色をいかして主に立体作品を制作する。「今、ここ(地球)に生きる」をテーマに、愛する動物をモチーフに生き物の美しさ、尊さ、個性を表現する。_アレトコレ ココ

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1988年 大阪府生まれ
2012年 京都市立芸術大学 美術学科彫刻専攻卒業
2018年 移住していたオーストラリアから帰国、アレトコレ ココとしてワイントップアートのプロジェクトを開始。

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2023年 個展「Wine Top Art アレトコレ ココ展」(日本橋高島屋/東京)
2022年 「SICF23」EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京) 荒木夏実賞
2022年 個展「On the earth」(GALERIE CENTENNIAL/大阪)
2022年 「第20回 NAU21世紀美術連立展」(国立新美術館/東京)
2021年 「OSAKA INTERNATIONAL COLLECTION 2021」(大阪市中央公会堂/大阪)北野美術館賞・Chignitta賞
2021年 「Unknown Asia 2021」(GRAND FRONT OSAKA/大阪)
      スポンサー賞(Festival City賞)・レビュアー賞(板倉康裕賞・中川悠賞)
2020年 「Unknown Asia 2020」(GRAND FRONT OSAKA/大阪)
     スポンサー賞(モトックス賞)・レビュアー賞(横山大地賞・藤川和也賞)

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光や音を表現に扱う上で、自然現象としての「雷」とその周辺に注目する。
対象的断片を鋳型に「アンフォルムな雷」を削り出そうとする交渉を、見る側と作る側に、置かれた“ものごと”たちに、空間につくり試みる。_ 上野悠河

yugaueno_2.jpg Photo : m.yoshihisa

1997年 千葉県生まれ
2019年 和光大学 表現学部芸術学科中途退学
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2022年 「ゾウノハナ・フューチャースケープ・プロジェクト」(象の鼻テラス/横浜)
2022年 個展「Objective Counterpoint | 20←」(船橋市民ギャラリー/千葉)
2022年 「島村楽器 録れコン2022」グランプリ・インストゥルメンタル部門 優秀賞
2022年 「SICF23」EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京) 大巻伸嗣賞
2021年 「中央線芸術祭2021『スペースシェアリングプログラム:ともにある場所』」(KOGANEI ART SPOTシャトー2F/東京)
2021 年 個展「時に、糺そうとする」(ギャラリイK/東京)

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外に出れば数多くの建物が目に入るにもかかわらず殆ど記憶に残っていない。目には入るのに記憶に残らない状態とは、対象物を「家」や「ビル」の様な言葉によって記号化され、情報や物で溢れる世の中を合理的に捉えている事だと考える。
この作品は記号化された「家」を可視化したもの。敷地は家が現実的(物理的・社会的)な存在を示す他に虚構の像を生み出す台座と捉えている。記号化された家とは、対象物を見ている者それぞれが作り出す像であり「見る」という事を再考するきっかけになれば。_ ばば ゆうた

babayuta.jpg

1984年 神奈川県生まれ
2003年 建築の専門学校卒業後、建築設計会社に勤務
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2022年 「Focus-視点がつなぐ可能性-」(GALLERY AND LINKS 81.one/東京)
2022年 「第1回 FEI PURO ART AWARD 作品展」(FEI ART MUSEUM YOKOHAMA/神奈川)
2022年 「SICF23」 EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京) 鈴野浩一賞

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ある日、小さなカメラを持って海に行った。明度が逆転するそのレンズ越しには、空は真っ黒に写り、ゴツゴツのテトラポッドは冷たくくっきり輝いていた。淡い青空が広がるのんびりとした世界がこおりついた感覚だった。
わたしがいきものをつくりだすイメージは、その思い出に近く、見慣れた風景をくるりと、時にピキリと変える存在である。_浜崎真帆

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2002年 東京都生まれ
2023年 武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科在籍
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2023年 「ミートピポピポ vol.3」(吉祥寺PARCO/東京)
2022年 「ミートピポピポ vol.2」(ニュースポット原宿/東京)
2022年 「いすみ鉄道ファッションショー」(いすみ鉄道/千葉)
2022年 「SICF23」 EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京)廣川玉枝賞
2022年 「ミートピポピポ」(reload/東京)

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物質と精神の関係に注目し、彫刻表現を軸に制作を行なう。
近年は素材の持つ空虚な表情に魅力を感じ、フローラルフォームを素材として扱っている。プリミティブな「作る」という行為により、抽出されたかたちや痕跡、そしてその裏にある意味やストーリーへフォーカスされることを試みている。_櫻井隆平

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1993年 群馬県生まれ
2017年 多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
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2022年 「SICF23」 EXHIBITION部門(スパイラルホール/東京) スパイラル奨励賞
2021年 個展「Revealing」(アトリオン/秋田)
2016年 「ctrl+shift+B」(新北市/台湾)
2015年 「ART AWARD TOKYO 2015」(丸ビル/東京)

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立体作品を超えて平面作品の領域にも挑戦し、立体では表現しきれない部分を絵を通して、体感していただきたいと考えている。人々の想いや自然の神秘的な力、時空を超えた場所に漂う霊魂のような存在を、「かたち」へ変換し新しい命を授けることで、それらが地球上にいることの確かさと豊かさを発信している。_大越智哉

プロフィール.jpg Photo : Kaixi Jiang

1999年 福島県生まれ
2022年 武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科インテリアデザイン専攻卒業
2022年 武蔵野美術大学大学院 造形研究科工芸工業デザインコース在籍

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2022年 「AND LINKS Selection VI」(GALLERY AND LINKS 81/東京)
2022年 「SPIRAL Creators File 生きるかたち」(「+S」Spiral Market大阪タカシマヤ/大阪)
2022年 「SICF23」 EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京) デイリーアート賞
2022年 「武蔵野美術大学修了制作展」(武蔵野美術大学/東京)
2019年 「ITO ART WORK 2019」(キネマ通り/静岡)
2019年 「Handwork」(GALLERY33/東京)

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「食べた分だけ光る神」 食事から得たカロリーをワット数に変換し、神が舞いながら光る。_君とバラ色の人生ズ

プロフィール写真_水谷初音.jpg プロフィール写真_蟻川夢子.jpg

2020年 女子美術大学 アート・デザイン表現学科卒業
2018年より蟻川夢子さん、水谷初音さんがアーティストユニットとして活動している。日常で感じる些細な喜びや葛藤をコミカルに誇張し、映像制作やパフォーマンスを行なっている。
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2022年 「SICF23」 EXHIBITION部門 (スパイラルホール/東京) オーディエンス賞
2020年  女子美術大学卒業制作 加藤成之記念賞
2019年 パフォーマンス出演「今夜三日月の見える丘に」(Live Garage秋田犬/東京)
2018年 パフォーマンス公演「愛について」(女子美術大学/東京)
2018年  「女子力展」メインビジュアル(デザイン・フェスタギャラリー原宿/東京)

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Gallery Tour & Artist Hour
 

初日の5月10日(水)18:00 - 19:30には、在廊可能な出展アーティストが集い、「Gallery Tour & Artist Hour」を開催いたします。ぜひこの機会にご来場ください。

日時:2023 年5月10日(水)18:00 - 19:30
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
   東京都港区南青山5-6-23
*予約不要。直接会場にお越しください。

 

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