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ビヨルン・メルフス 「イースタン・ウェスタン・パーク」

2005.04.28~05.8

ビヨルン・メルフスは国際的に高い評価を得ているドイツのビデオアーティストで、ドイツ国内をはじめ、国外でも多くの賞を受賞しています。国際展への出展も多く、イスタンブール国際ビエンナーレ、ベニス国際ビエンナーレなどにも招聘されいています。また、アメリカ最高峰の現代美術の収集で知られるホイットニー美術館では、アメリカのポップカルチャーをヨーロッパの視点から批判的に考察し、芸術作品として表現しているメルフスを高く評価し、彼の作品を紹介しています。

メルフスは、テレビ番組のキャラクターやニュース映像、映画など、アメリカのポップカルチャーをモチーフとした作品を作り出しています。1966年生まれのメルフスはアメリカ発信のメディアを中心としたテレビ文化の中で成長した最初の世代に属しています。彼は子供の頃からメディアに接する現代、個人が現実の世界を認識し、アイデンティティを構築していく過程で、メディアに映し出されるバーチャルな現実が、どのような影響をもたらすかを、作品を通して問いかけます。

本展覧会、「イースタン・ウェスタン・パーク」は現代のメディア神話の在り方を、東洋と西洋、お互いの文化についてそれぞれが抱いている子供じみた想像をモチーフに表現する新作です。西洋においてゆがめられた東洋のイメージを、メルフス自身が日本の女子高生に扮することで体現する、インパクトある映像が作品の中心となります。繰り返し流れる街頭広告や映画の予告編、テレビ番組などのイメージから生まれる儀式のような動きや、グロテスクな子供の遊びが会場に映し出されます。彼は本作について「西洋でねつ造された東洋のイメージに、日本のメディア・カルチャーをサンプリングしたようなものになります。作品の中心になるのは日本ではどこにでもいて、繰り返し現れる女子高生というアイコンです。しかし私が扮する女子高生は、ネイティブ。アメリカンの儀式を奇妙な形で引用した風刺画のようなものなのです。」と言います。

ギャラリー壁面に投影される巨大なプロジェクション、エスプラナードへと続く階段部分に設置されるテレビモニター、そしてアトリウムに置かれたインディアン風テントのインスタレーションの3部からなる会場構成で、メルフスが生み出す映像世界の魅力を立体的に展開する大規模なインスタレーションです。


主催:東京ドイツ文化センター/株式会社ワコールアートセンター
協力:シャープ株式会社
企画制作:スパイラル

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