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「夜の歌-龍安寺」 砂のマンダラ

スパイラル聲明コンサートシリーズvol.16 「千年の聲」
2008.03.01~03.02

普段お寺でしか聴くことのできない聲明を、スパイラルの近代的空間の中で送る」聲明コンサートシリーズ「千年の聲(こえ)」。第16回目となる今回は、『砂のマンダラ』と題し、ジョン・ケージ作曲による「龍安寺」と藤枝守作曲による「夜の歌」の2作品を、古典の聲明曲を交えた「四箇法用」の形式に折込み上演。
私たちの遠い兄弟、ネイティヴ・アメリカンの神話と砂絵をモチーフにした「夜の歌」と、究極の禅庭を音で表した「龍安寺」。東西二人の作曲家が音で描く砂の宇宙。伝統から現代へと、時代を超えて引き継がれた聲明の魅力を伝えます。



『夜の歌』

作曲:藤枝守(声、吹物、打物、弾物、呪文)
内容:すべて生きるものに、いのちを与えるのは風-ネイティブ・アメリカンのナヴァホ族が唱える創世神話-深い海の底で生まれた風が、五つの層をなした世界に順繰りに吹き込まれ、五番目の地上のトウモロコシに白い風ニルチッイが息を吹き込むと、最初の男と女が生まれた。その創世神話のシャーマンの歌とともに、砂に描かれる宇宙?砂のマンダラ。


『龍安寺』voice version 

作曲:ジョン・ケージ(声明、パーカッション)
内容:20世紀を代表する現代音楽の巨匠ジョン・ケージが、日本の禅に触発され書いた「龍安寺」。龍安寺の石庭をもとに、配置された15個の岩の形(稜線)を、グラフィックな線による楽譜として記号化し、音の高低と空間構成を表した。世界各国で上演されているこの曲には、オーボエやフルートなどの楽器と声の楽譜があり、日本で上演される聲明によるヴォイスバージョンの「龍安寺」は、1991年の草月ホールでの伝説的なコンサートから17年振りの再演となった。

■ 開催概要

構成・演出:田村博巳
演奏:高田みどり(打物)、西陽子(弾物)、石川高(吹物)
聲明:声明の会・千年の聲  迦陵頻伽聲明研究会
新井弘順、川城孝道、孤島泰凡、小路耕徳、斉藤説成、多田康雄、田中康寛、塚越秀成、塚田康憲、戸部憲海、新山尚道、沼尻憲尚、平井和成、守山祐弘
七聲会、海老原廣伸、末廣正栄、杉山幸雄、平田真紹、玉田法信
制作:スパイラル/声明の会・千年の聲/NPO法人魁文舎
主催:声明の会・千年の聲/株式会社ワコールアートセンター
助成:日本芸術文化振興会 舞台芸術振興事業

■ プロフィール
作曲:藤枝守
1955年生まれ。カリフォルニア大学サンディエゴ校音楽学部博士課程修了。博士号(Ph.D. in Music)を取得。作曲を湯浅譲二、モートン・フェルドマンらに師事。合衆国滞在中にハリー・パーチ、ルー・ハリソンらに影響されながら、純正調によるあらたな音律の方向を模索。植物の生体情報である電位変化のデータに基づく『植物文様』という作曲シリーズを展開。CDに《Patterns of Plants》《今日は死ぬのにもってこいの日:植物文様ソングブック》など。著書に『[増補]響きの考古学-音律の世界史からの冒険』、『響きの生態系-ディープリスニングのために』がある。現在、九州大学大学院・芸術工学研究院教授。
打物:高田みどり
1978年ベルリンでソリストとしてデビュー後、伝統音楽を生かした独自の世界を構築。アフリカやアジアの音楽家との共演や世界各地のジャズ祭に出演など打楽器奏者としてジャンルを超えた幅広い活動をし、高く評価される。近年演劇にも活躍の場を広げ、欧米各国で舞台に立つ。シバリオ・イタリアン・シアトリカル・アワードなど数々の賞を受賞。04年国際交流基金派遣でインド4都市を巡り、初の声明作品『沈黙の鳥』をプロデュース、演奏する。
弾物:西 陽子
箏曲家。東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業。故・沢井忠夫、沢井一恵に師事。1993年ソロデビュー後、新作初演、国立劇場における復元楽器の演奏、オーケストラとの共演、国内外のアーティストとの即興演奏、美術家・作家・詩人とのコラボレーション、自作自演など活動は多岐にわたる。和歌山県文化奨励賞受賞。
吹物:石川高
笙を宮田まゆみ、豊英秋両氏に師事、雅楽合奏、理論を芝祐靖氏に指示する。雅楽団体「伶楽舎」に所属。正倉院復元楽器なども演奏する。現代作品の演奏も数多く、様々な分野の音楽家と共演し国内外の音楽祭に出演。

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