140年の時を経て、現代に甦る「布橋灌頂会」。明治の廃仏毀釈で断絶した貴重な伝統行事を、
1840年の古文書を基に、僧侶と立山の人々の尽力で復興させた。江戸時代に越中国立山山麓で盛んに行われていた山岳信仰儀式「布橋灌頂会」を、スパイラルガーデンに再現しました。
江戸時代の越中国立山山麓(現在の富山県立山町)で盛んに行われていた「布橋灌頂会」。白い布が敷かれた布橋は、浄土への架け橋。当時の立山の山岳信仰と密教、そして浄土信仰が相まった「布橋灌頂会」は、霊峰立山に女人禁制のため踏み入ることのできなかった女性たちの極楽浄土を祈願し、救済するための儀式でした。白装束に身を包み、目隠しした女性たちが、聲明と雅楽の妙なる響きに導かれ、布橋を渡ります。此岸から彼岸へと渡る死出の旅路の擬死再生を経て、僧侶が立山から汲んだ聖水を一人一人にかけ灌頂する儀式の最後に、女性たちの目隠しが解かれると、目前には阿弥陀の極楽浄土、立山が光の中に燦然と現れるのでした。
出演:聲明/声明の会・千年の聲
雅楽/笙 伊藤広喜・福西賢、篳篥 八百谷啓・廣本康真、龍笛 笹本武志・安倍光太郎
構成・演出:田村博巳
舞台監督:原口佳子
照明:森下泰(ライトシップ)
宣伝美術:井原靖章
写真提供:北日本新聞/立山町役場
制作:スパイラル/NPO法人魁文舎/声明の会・千年の聲
助成:日本芸術文化振興会 舞台芸術振興事業
後援・協力:富山県立山町
主催:声明の会・千年の聲/株式会社ワコールアートセンター