art-life vol.1 秋山さやか／MOTOKO展「speed&slow」

カラフルな糸やリボンを用いて、地図上に自分の足跡をつぶさにスケッチしていく作品を制作する秋山さやかと、樹木、湖などの自然に漂う空気感を極めてクールに切り取る写真家・MOTOKOの二人展。

雑誌や広告など第一線で活躍する写真家MOTOKOは、スパイラルガーデンの20mの壁面に、連続する静謐な森林のイメージを展開。「自分の想像力で一瞬のうちに撮るんです。」と本人が語るように、彼女は自然との間に独自の距離を保ちながら、スピード感をもって撮影し、彼女の目線でとらえた森の美しさを表現します。

一方、秋山さやかは全長8mにも及ぶ大作「あるく 私の生活基本型（青山）－2003年6月9日～7月13日－を出展。時の流れの速い東京の一区画、青山・表参道を取り上げながらも、ひっそりとした裏道や見過ごしてしまうような場所で起こる小さな事象を彼女自身がゆっくりとしたテンポで探し歩き、その足取りをひと針ひと針トレースしながら作品を作りあげました。

「speed&slow」というタイトルには、時間をかけながら街に入り込んでいく秋山さやかと、駆け抜けるように自然を捉え続けるMOTOKOの世界が溶け合う様子が反映されています。人によって形づくられていく街と人間を包み込む自然という対照的な要素が交じりあい、スパイラルガーデンに全く新しい空間が出現しました。

主催：株式会社ワコールアートセンター
協力：キヤノン株式会社、株式会社昭文社、富士ゼロックス株式会社、ART BY XEROX、有限会社ミリ
企画制作：スパイラル