2003年に平面作家の登竜門であるVOCA賞を受賞した若手作家津上みゆきによる、二十四節気"をテーマに描き上げた新作24点を一堂に展示。スパイラルガーデンが、まぶしい色彩で彩られました。
一貫して風景を描いてきた津上の作品には、すべて"View"という名が冠されています。彼女はまず"風景―自分の周りのすべてのもの"と対峙し、自分とそれらがつながったと感じた瞬間をスケッチします。今存在している場所、今その瞬間に存在している証が、心の"眺め=View"として絵に紡がれるのです。二十四節気のシリーズは、彼女自身が風景を描くことと、自然と人との関係性が形になった暦の相似に気づいたことから始まりました。移ろう景色の瞬間を捉えた作品は、はかなく淡い光に包まれながらも、力強い奥行きのあるストロークが走っています。一瞬のきらめきが持つ儚さと同時に、自分と取り巻く世界が存在する限り、どこまでも広がっていくような逞しさをも感じさせる作品です。
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル