身体感覚や時間の概念に新しい価値を見出す作品をつくる大巻伸嗣と、ヨットのセイルを付けた自動車や大きな木が植えられた舟など、ユニークで不思議な乗り物を制作する國府理のグループ展。
大巻伸嗣は、時間の流れを視覚化する試みとして直径7.5mの巨大な円筒型の空間を持つインスタレーション作品を展示しました。空間の内部には等高線状に時を描いた鏡を床一面に配置。その周りを、光を透過する白い布で囲みました。鑑賞者はこのたくさんの光が降り注ぐこの巨大な空間内に入ることで、前後左右の身体感覚を失い、浮遊感を体験することが出来ます。
國府理は、エンジンの動力で回るプロペラ付きの風力自転車、自然の風の力で移動することをイメージしたヨットのセイルを付けた二輪車や自動車(「Natural Powered Vehicle」)などを展示。また、「Natural Powered Vehicle」で旅をすることをイメージしたロードムービーを上映。
「KOKUFUMOBIL」と名付けられたこれらの乗り物は、移動することによって得られるユニークな体験を人々に期待させます。そして実際に現実に機能するものとして精巧に作られています。
現代社会に暮らす様々な人々と共有する時間の大切さ、ひとりで自由に思いを巡らせる時間の楽しさなど、日常生活の中で個々人が持っている、「たいせつな時間」を振り返ることを意図しています。
主催:株式会社ワコールアートセンター
協力:アシストツクダ、株式会社インターナショナルクリエイティブ、合資会社エイプラフト、株式会社ティー・エー・ジー、東京画廊、ぺんてる株式会社
企画制作:スパイラル