Fri.
撮影:山中慎太郎 (Qsyum!)
手塚愛子は、絵画を探求するなかで織物に着目し、織物の解体と再構築という独自の手法を用いた作品が 国内外で高い評価を受け、近年はベルリンを拠点に活動しています。スパイラルガーデンでは、2007 年 に「薄い膜、地下の森」と題した個展を開催、この度、12年ぶりの同会場での個展となる本展では、日本と西欧、美術と工芸、近代と現代、過去と現在、それぞれの出会い、あるいは分岐についての考察から生まれた新作4点を含む近年作を展示します。
江戸末期、日本から西欧への輸出品として重宝された薩摩ボタンをモチーフにした《必要性と振る舞い(薩摩ボタンへの考察)》、明治期に織られたテーブルクロスを現代に蘇らせる《京都で織りなおし》、洋装を初めて取り入れたことでも知られる昭憲皇太后の大礼服のデザインに着想を得た《親愛なる忘却へ(美子皇后について)》、レンブラントの《夜警》とインド更紗を引用した《華の闇(夜警)》。いずれの新作も、京都服飾文化研究財団、川島織物セルコン、共立女子大学博物館、テキスタイル博物館 テキスタイルラボ(ティルブルフ、オランダ)との協働によって制作されました。
ヒエラルキーがいまだに存在する芸術の領域において「工芸的」「装飾的」とも見なされる手法を用いながら、しなやかにそしてしたたかに、モダニズム美術あるいは近代それ自体を検討し、わたしたちに問いを投げかける手塚愛子の新たな展開にぜひご期待ください。
*本展は五島記念文化賞新人賞における成果発表展として東急財団(旧:五島記念文化財団)より助成を受け実施いたします。
■関連イベント
オープニングレセプション
日時:2019年9月3日(火)19:00ー21:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
登壇者:手塚愛子(アーティスト)、正路佐知子(キュレーター、福岡市美術館)
*オープニングレセプション内で手塚愛子と本展監修の正路佐知子氏のトークイベント(19:00-20:00)を開催致します。一般の方もご来場いただけます。
アーティストトーク
日時:2019年9月8日(日)15:00ー16:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
*事前申込み不要。直接会場までお越しください。
■開催概要
手塚愛子展 「Dear Oblivion —親愛なる忘却へ−」
会期:2019 年 9月4日(水)ー18日(水)11:00―20:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場無料
お問い合わせ:03-3498-1171(スパイラル代表)
主催:公益財団法人 東急財団
共催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
監修: 正路佐知子(キュレーター、福岡市美術館)
協力:株式会社川島織物セルコン、公益財団法人 京都服飾文化研究財団、共立女子大学博物館、周防珠実(京都服飾文化研究財団)、テキスタイル博物館 テキスタイルラボ(ティルブルフ、オランダ)、東京都庭園美術館、長崎巌(共立女子大学家政学部教授、共立女子大学博物館長)、Galerie Michael Janssen | Berlin
特別協力:オランダ王国大使館
■同時期開催
手塚愛子個展「Flowery Obscurity 華の闇」
MA2 Gallery(東京都渋谷区恵比寿3-3-8)
2019年9月7日(土)-9月28日(土) 12:00-19:00(休廊:日・月曜、祝日)
手塚愛子個展「Dear OBlivion -親愛なる忘却へ-」
Galerie Michael Janssen(Potsdamer Straße 63,10785 Berlin,Germany)
2019年9月14日(日)-11月16日(土) 11:00-18:00(休廊:日・月曜、祝日)