スパイラルは、2022年5月に開催したアートフェスティバル「SICF23(第 23 回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」のEXHIBITION部門において、ワコールスタディホール京都奨励賞を受賞した黒山真央の個展を開催します。
本展では、黒山の代表作《血脈の愛》と新作の《囚(とらわれ)》を展示します。
母親が手作りの服を我が子に着せるという慣習や、その行為の背景にある深い愛情に着想を得た《血脈の愛》は、母娘間や姉妹間といった母方の家族における精神的なつながりの視覚化を試みた作品群です。かつて着用していた衣服を繊維の状態にまで解体し、混ぜ合わせ再構成する過程を通し、衣服に残る記憶を辿ることで、それぞれの関係やつながりを作品化および標本化しています。
一方、《囚》は、父方の祖母が嫁ぎ先で家業に縛られた「家」という存在に焦点を当てます。祖父宅にあったカーテンに祖父の背広を解体した糸を使って、古文書に記された代々続く家長の系譜を刺繍し、祖母の背負う重圧やしがらみを視覚化します。
私たちは、黒山が属する2つの家や家族にまつわる作品を通し、そのさまざまな在り方や問題に気付かされます。
SICFのほか、2023年にVOCA佳作賞を受賞し、ますます注目を集める若手作家による個展をお愉しみください。
SICF23受賞作品はこちらからご覧いただけます。
SICF23 EXHIBITION部門 受賞者展
黒山真央 「よそはよそ、うちはうち」
会期:2023年10月13日(金)〜10月25日(水)11:00〜20:00
会場:スパイラルエスプラナード(スパイラル M2F)
東京都港区南青山5-6-23
入場無料
お問い合わせ:03-3498-1171(スパイラル代表)
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作 : スパイラル