音楽・ファッション・広告など、さまざまな分野で活動し、更なる活躍が期待される若手フォトグラファーを、スパイラルならではのセレクションで紹介する写真展シリーズの第一弾。
澁谷征司は、2008年1月に初の作品集『BIRTH』(赤々舎)を発表し、現在今後の活躍が期待される写真家のひとりです。『BIRTH』に収められた作品に加え、本展のために熱海で撮り下ろした新作を展示しました。絶え間ない光と影の交換によって生まれていく写真。澁谷征司の撮る風景は、場所性が欠如した場所、ある特定できない何処か、何処でもない場所だからこそ何処にでもつながっていく場所であり、どの風景も激しさを秘めた静けさを湛えています。
私たちは何げなく選ばれたような場所を前に、遠く残してきた記憶にもう一度手を伸ばすような懐かしさを感じ、記憶から呼び起こされる様々な感覚を飛び越えて、やがて優しく透明なものに包み込まれます。雑誌やCDジャケットの仕事を通じて10年間に撮影した写真を時系列に綴った初の作品集『BIRTH』の出版を経て、今回初めて幼い頃に過ごした特別な場所"熱海"で撮影した新作を作品を撮り下ろしました。
主催:株式会社ワコールアートセンター/赤々舎
企画制作:スパイラル