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SPECTRUM TALK スペクトラムトーク

Vol.1 Art / work:仕事とアートの境界
2018.4.13

スペクトラムトークは、「アートと生活の融合」を進めるスパイラルが新たに始めるトークシリーズです。同時に、そのキーワードを「融合の実験」から「連続性へのまなざし」へと変換する試みでもあります。

そもそも我々は、アートと生活をなぜ分けて考え、そして、その融合を考えるのでしょうか。このトークシリーズでは、アートと生活に限らず、様々な事象を連続性のまなざしで捉え、その狭間でざわめくあたらしい可能性について語り合いたいと思います。

第1回目となる今回は、NYCのクリエイティブチームFullscreen と、スパイラルで展覧会を開催したビジュアルデザインスタジオWOWによるプレゼンテーションと対話を行いました。

消費者はもはや「作品」しか信用しない一方、商品が介在しない「作品」とはつながりが感じられない。現在のクリエイティブはアートとコマーシャルの間を行き来するしかありません。そんな状況をクリエイターはどう思っているのか? そして、NYCと東京との間にはどんな変数があるのでしょうか?

■ 開催概要

日時:2018年4月13日(金) 19:00-20:30 (開場18:30)
場所:スパイラルルーム(スパイラル9F)
※終了後にスパイラルホールホワイエ(3F)にて登壇者との交流会を実施

登壇者:FULLSCREEN、WOW inc.
モデレーター:Jordan Smith(城西国際大学准教授)、松田朋春(スパイラルシニアプランナー)

■ プロフィール
FULLSCREEN
ニューヨークを拠点に活動するクリエイティブチーム。AT&Tやコカコーラなどの大手企業のブランディングやソーシャルメディアコンテンツを手がける。時代を反映したプロジェクトを手がけながら、それぞれはパーソナルな表現を追求するアーティスト集団。
https://fullscreenmedia.co
WOW inc.
東京と仙台、ロンドンに拠点を置く、ビジュアルデザインスタジオ。CMやコンセプト映像など、広告における多彩な映像表現から、さまざまな空間におけるインスタレーション映像演出、メーカーと共同で開発するユーザーインターフェイスデザインまで、既存のメディアやカテゴリーにとらわれない、幅広いデザインワークを行っている。さらに、近年では積極的にオリジナルのアート作品やプロダクトを制作し、国内外でインスタレーションを多数実施。作り手個人の感性を最大限に引き出しながら、ビジュアルデザインの社会的機能を果たすべく、映像の新しい可能性を追求し続けている。
www.w0w.co.jp

■グラフィックデザインとアートの違い/レノックス・リース(Fullscreen)

私の名前はレノックス・リースです。Fullscreenで美術監督補佐をしているほか、学生芸術家兼デザイナーでもあります。なので、特にソーシャルメディアにおけるグラフィックデザインとアートとの間に存在するバランス関係に強い関心を持っています。

数々のブランドや企業が、ユーザーがより親近感を得られるように、デザインとアートを混合させる場としてソーシャルメディアを利用しているのは素敵なことです。これはインターネット向けの様々なデザインアートを創る作業を非常に楽しいものとさせてくれます。

では、グラフィックデザイン、そしてアートとは何でしょう?

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「グラフィックデザインとは?」

会計から分析、創造性まで————創造力豊かなチームの協力や顧客からの要求・承認を含め、グラフィックデザインは様々な人々の専門技術・知識の集大成です。デザインの存在する理由は問題を解決することと、イメージ、言葉、記号を通して情報を伝えることです。

あるデザインを見たときに「素敵だな」、「面白いな」、または「他とは違うな」などと何かしら感じることはあるはずです。そのような魅力的なディテールこそが広告やブランド化において細部に表れてきます。

ブランドのためのソーシャルメディア業界で働いていると、デザインとアートとの間で駆け引きが生じます。

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「アートとは?」

アートは親密な経験を伴います。見る側の人々から感情、意見、または物語を引き出した上で、全体の創造過程や決定は、芸術家本人が全て行わなければなりません。各役職を持った大人数のチームがいるわけではないのですが、それこそがアート製作における達成感を生みます。全ては個人の自由で芸術的な表現なのです。

ソーシャルメディアはアートを拡散したり見たりするには最適な場所です。学生芸術家として、私はどうしたらグラフィックデザインに芸術的な物の考え方を加えることができるか、常に考えています。

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「グラフィックデザインとアートはどのように違うのか?」

基本的にデザイン制作の目的としては、販売する、教育する、ある商品・ブランド・企業が誰かの記憶に残るようにする、という点が挙げられます。デザインはより寛大な目的を持って行われます。アートの場合には、アーティストと鑑賞者の満足を目指して作られるでしょう。

ソーシャルメディアではアート、デザイン、そして商業が混ざり合っています。芸術家は販売するために商品をデザインして、ブランドは広告のためにアートをデザインしています。

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「グラフィックデザインとアートはどのように類似しているのか?」

グラフィックデザインはアートでもあり、アートはグラフィックデザインでもあります。なぜならその創造過程は似ているからです、1つのアイディアから始まり、創造力を駆使してそのものを創り出し、完成品を共有する。そしてその完成品を色、形、線、型などの視覚的な要素とバランス良く統合させる。この段階でグラフィックデザインとアートが交差し始めます。

その作品が多様な受け取り方をされればされるほど、アートかデザインのどちらかの分野に当てはめることができるのです。

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「グラフィックデザインとアートはどのように交差するのか?」

グラフィックデザインをアートとして理解して創造すると、そのもの自体に人間性が加えられます。なぜならソーシャルメディアを見るのと同じように親密な経験だからです。作品の内容とデザインを芸術的な視点から作り出すことは非常に大切で、細部に専門的な技能、テクニック、そして注意力を注ぐことによって、デザインとアートが上手く混じり合い、それぞれの個性を放ちます。

的確な視点から創り出された1つの統合作品として、デザインとアートを捉えてみてください。ユニークさ、そして自分が素敵だなと思う要素を大切にした時にこそ、完璧なバランスを見つけることができるでしょう。

 

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Lennox Rees

アーティストかつデザイナー。騒々しさの入り交じる微妙さと、日々起きるシナジーからインスピレーションと美的なセンスを見つけ出す。アートとグラフィックデザインは、きれいな形、“ファウンドイメージ”と色で形作られ、心地よいバランスで成り立っている。デジタル技術を融合させるユニークな手法で実験すること、そして手作業で作り出すどちらも楽しんでいる。

アメリカの雑誌、新聞、洋服の柄などで、彼女のコラージュ作品は取り上げられてきた。オレゴン州のポートランド市でグラフィックデザインを学び、2年間くらいロサンゼルスに滞在。現在、テキサス州のオースティン市に住み、Fullscreenのグローバルブランドのソーシャルメディアコンテンツのアートディレクターを務める。

■「Design」は収束、「Play」は発散/クリスティーナ・スキャンリーノ(Fullscreen)

こんにちは! Fullscreenでアートディレクターをしているクリスティーナ・スキャンリーノと申します。過去にコカ・コーラ、AT&T、ディズニーなど、多数の大手企業と仕事をしてきました。今は完全にクリエイターとして仕事をしていますが、私のバックグラウンドは数学にあります。そのため、クリエイティブな世界と、論理的な計算を大事にする世界、両方とも体験してきました。カリフォルニア、サンタモニカの海岸沿いに住みながら毎日インスピレーションを受け続けています。

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最初に二つの真逆の本日のテーマを明確にしていきましょう。

「Design」とは問題を解決する、そして目的によって動くこと。誰かに問題を指摘され、私の仕事はその解決方法を設計することです。
「Play」のきっかけは喜び。最初から無理矢理に、直接的に問題を解決しようとすると、逆効果になって詰まってしまうこともあります。

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こう考えましょう。「Play」は発散する考え方。いろいろな方向でいろいろな考え方をすること(それぞれのアイディアは「good enough」の程度まで推進させたら、次に進んでいく)。「Design」は収束する考え方。たくさんの考え方を一つの考え方に絞ること。

いい結果を残すためには、それぞれが互いに必要なのです。

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クリエイティブな仕事をしている人は自然と「Play」の考え方を持っている人が多いでしょう。たくさんの選択肢から一番喜びを生みそうなものを選ぶこと。
しかし、ブランドや世間が求めるものにあわせて、自主的に制御することがあります。

そこで大事なのは勇気を持って挑戦をすること…。5回に1回は大きな成功がついてくるかもしれません。
私はデザインを一目みれば、どれだけそのクリエイターが作品を愛し、作るのを楽しんだかどうかがわかると強く信じています。

もしそのデザイナーが心から楽しまずにいたら作品も美しくはならず、拷問にあっているかのようです。
スタジオで心が踊る体験をしたものは、その分、作品が輝き、その光がデザインを見たものにまで届き、照らします。

二つの自分の作品を通して、企業の求めるものが、どのようにして私がデザイナーとして作りたいものに影響を与えるかを説明したいと思います。

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数年前、スプレーペイントで何かを背景と一色にするという衝動で生まれた作品がありました。最終的に私はこの作品にピザを選びましたが、これが大きな失敗となるか成功となるかは紙一重でした。運よく、作品は成功し、私自身に喜びを与え、輝きを放ったのではないかと思います。しかしこの作品には「Design」要素が足りず、金色のピザであるための解答が必要でした。そして少数の人の心にしか届かず終わりました。しかし、Fullscreenでの経験を通して、どうやって観客とコミュニケーションを取り、心を惹きつけられるかどうかを学びました。

もう一つの作品はAT&Tのために作成したものです。これは、AT&Tのブランドを伝えるためのもので、クライアントからの要求に応える安全で退屈な作品になっていたかもしれません。しかし私は個人的な作品の遊びから学び、「うまくいかないかもしれないけど、試してみよう!」と。この作品はAT&Tを洗練されたプロフェッショナルな方法で、表現するという問題を解決しています。大量のものを並べてスプレーで一色に塗り、ロゴを形づくるという愛情のあるキュレーションで楽しみました。

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Christina Scamporrino
カリフォルニアに本拠を置くデザイナーで、一年中夏であるべきだという強い信念を持つ。南カリフォルニア大学で数学の学位を取得し、卒業以来、問題解決スキルを磨くためビジュアルデザインの課題・難問を挑戦し続ける。コカ・コーラ、ディズニー、AT&Tなどのクライアントの仕事を含む、芸術的なプロジェクトの燃料を供給する「分析」と「芸術」のバランスである。
現在、Fullscreenのアートディレクターとしてつとめている。

■多くを見せないことは想像力を働かせること/イライザ・フライ(Fullscreen)

デザインを語るということは、創造的な問題解決について語るということです。ですから、ここでいくつかの問題を解いてみましょう。まずは「死とはどんな形をしているのか?」という問題です。この問題に直面したのは、友人オマール・ザーザーの、『12 Stories About Death』のイラストを担当していたときのことでした。このシリーズでは、「死」というものの日常生活や不運が、シリアルを食べたり、ボードゲームを遊んだりするように、ひとつのキャラクターとして綴られました。

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「死は男性? 女性? または無性別?」「背が高い? 痩せている? あるいは少し太っている?」「服を着ている?(プラダを着た悪魔のように…?)」「年齢に見合っている?」と、ひとつ疑問が浮かぶと、ほかの疑問も次々と出てきます。私たちに共通してわかることは死の存在だけで、誰もその姿を見たことがないため、質問への答えを見つけるたびに、また新たな質問が出てきます。さらに、一人ひとりが目を閉じて心の目で描く「死」はすべて異なり、正解でもあり、間違いでもあるのです。

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それは死というものが、普遍的ですが、非常に個人的なものであり、ある人が想像するものと、隣に座っている人が想像するものとでは全く異なっているからでしょう。シリーズの文章によると、死の特徴は3つ。骨が浮き出た指、動物のような鼻、そして古い帽子をかぶっていることです。

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骸骨は死のもっとも普遍的なシンボルであるため、私は指と帽子だけを描きました。帽子は肉体の核でも永久的なものでもなく、身につけるものです。帽子を失くしたとしても、死という事実は変わりません。私が一つ一つのイラストを描くにあたって下した決断は、それぞれの想像する死よりも、千パーセントの鮮明さと現実味をもたせた故です。そのイラストは関連性が高く、衝撃的であるのは他の誰の死でもなく、あなた自身の死を想像させるからでしょう。

 

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私は同じような問題に、映画『フィフテイ・シェイズ・オブ・グレイ』(Fifty Shades of Grey)のソーシャルメディア向けデザインの依頼がチームにあった際に直面しました。『フィフテイ・シェイズ』(Fifty Shades)シリーズとは、SMの関係について描いたベストセラーの「ロマンス」小説を原作にした性的な映画であり、いわゆる「主婦向け変態モノ」です。本来であれば「セックス」を全面に押し出したデザインを作成しますが、幅広い世代がこのデザインを目にすることや、「ロマンス」の要素に食いつくのは女性だというスタジオ側の見解により、性別、エロ、裸体、赤色(ハッシュタグを除く)の表現は使用できないことになりました。もちろん、典型的なソーシャルマーケティングスタイルでは、1年半のコンテンツを制作するためのイメージはわずかしかありません。しかも、その中で主人公の二人が映っているイメージは4つのみでした。

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幸いなことに、この本は大人気のベストセラーで、映画製作前から「変態性のセックス」とほぼ同義語としてアメリカ人には根付いていて、実際アメリカの大衆文化の中では主役はグレイ氏ではなく、「変態性のセックス」だと言っても過言ではありません。

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また、セックスは、死と同じように、深く個人的でもあるため、直接に「見せる」ことより、色々連想させる工夫を凝らすことにしました。映画と「変態性セックス」の関係が観客に根付くあまり、映画に関連したことを目にするだけで、何でも「官能的である」と連想する考えを用い、私はデザインに鉛筆を起用することにしました。何の変哲もない鉛筆が観客の性的連想に働きかけ、より魅力的なデザインが作成されます。これにより我々のチームは通常のキャラクターカードやカウントダウンのデザインよりも創造的な手段を得ることができました。

多くを見せないことは想像力を働かせることにつながるのです。

 

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Eliza Frye

アーティスト、デザイナー、そしてストーリーテラー。仕事に向かうときは、ラブレターを書くように熱い気持ちをこめている。実験的な物語や、手作り感の感じられる親密さ、極私的な感情を入れ込んで。求めているのは、とっておきの秘密を見つけたときのぞくぞくする感覚である。

デビュー書のグラフィックフィクション短編集『 Regalia』の最初の一編はアイスナー賞( Eisner Award)にノミネートされ、他の作品はアメリカかつヨーロッパのジャーナルや雑誌に広く記載されたほか、ふたつの美術館で展示、3つの個展を開催した。カリフォルニア州のCalArts(カリフォルニア芸術大学)でキャラクターアニメーションを学んだ上、UCLAで日本文学を勉強した。現在、Fullscreenのニューヨーク本部でグローバルブランドの為にソーシャルメディアコンテンツのクリエイティブディレクターを務める。

■モーションを通してキャラクターを描く/ターニ・ゲム(Fullscreen)

長年キャラクターアニメーションに関わってきました。そのため本来動かない対象も、アニメーションを使ってまるで人間のように個性があるように見せることが好きです。アニメーションはA地点からB地点まで動かすだけではありません。それよりもずっと複雑です。絶え間なく感情を呼び起こし、物語ることなのです。対象やキャラクターの動かし方で、個性を求める少しの配慮をすると、ぱっと命が吹き込まれるのです。

犬、鼠、鉛筆、飴など、どんなモノでも人間のような性格を持つことができます。対象が性格を持つと、私たちは対象に親しみを感じやすくなります。

デザインの原理はモーションに応用することができます。あなたのデザインの形状言語は、タイミングと一連の動きを通して、モーションへと等しく翻訳されます。個性を呼び起こすのです。

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四角形は背が高く伸び、誇らしげで、たくましく、力があるように見せられます。あるいは、四角形をぺちゃんこに潰して、机のように平らな長方形にできます。こうすると、安定性や落ち着きを表すことができるのです。

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三角形は危機感や、活力を伝えます。興奮しやすく、どう動くのか予測しにくい。(対象はあちこちジクザクに動ける)そして、対象自体を動かすことだけに留まりません。その一連の動きをむらのあるモーション軌跡の型に嵌めることができます。こうすると、一連の動きにさらなる興奮を付け加えることができます。

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円は、抱擁やゆっくりとした呼吸のように、柔らかく、落ち着きがあります。私たちを安心させ、穏やかな気持ちにしてくれます。例として円の形のAT&Tロゴが挙げられます。この企業が安全で信頼できることを伝えています。

デザインをする時、既に使っている形を作る中で、自分でどういう判断をしたのかよく考えてみましょう。意味をモーションへとより深く翻訳する方法はあるだろうか? 形状の意味を模倣するために、どうやってモーションをデザインできるだろうか? 全てを視野に入れてみましょう。デザインとモーション、両方を通してどうやってコンセプトを伝えることができるでしょうか?

オーディエンスが親しみを感じられるようなものを作りましょう。Fullscreenでは、馴染みやすい表現でクライアントのブランドを伝えることが一番だと考えています。「これが商品だ、買え」と言うのではなく、信頼できる友達のようにオーディエンスへ語りかけようとするのです。

どのブランドも、本質的にはキャラクターがあります。 時折、これはみんながなりたい人気者になることだったりします。 またある時には、ブランドのスーパーファン全員と一緒に、有名なポップ歌手のナンバーワンのファンになることでもあります。そうすることによって、ブランドをより身近な、親友のような存在にするのです。

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Miracle-Gro(スコッツ・ミラクル・グロー。アメリカの園芸用品メーカー)から、植物用の肥料の広告作成の仕事がありました。私は、肥料が注がれている時に植物をじっとさせるのではなく、視覚的に植物がお腹をすかせているように見せました。植物が待ちきれないようにフォークとナイフを持ち、いつでもピクニックができる状態で、食べたいとわくわくしているように表現しました。空腹感は、あらゆる視聴者に非常に馴染みのある感覚です。植物があんなに興奮しているなら、あの肥料は植物にとってかなり美味しいもののはずだと、視聴者は思うでしょう。

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もう一つの例は、スマホから流れる絵文字です。友達同士がメッセージを打ち合っているのを表しています。絵文字の間には、吹き出しの中に「HA HA!」と書かれています。まるで文字自身が笑っているかのように動かします。視聴者はこうして擬人化された文字の性格を感じることができるのです。

私は、グリル会社のために作った短いアニメ短編で、こんな光景を描きました。皿の上に山盛りになった骨付きの鶏の腿肉と鶏の手羽先が、一口、また一口とあっという間に皿から消えていく。皿のソースが拭き取られて、何もない皿にソースで笑顔の顔文字が書かれている。この広告では、お腹をすかせた人たちが食べ物が美味しいからとても早く食べてしまったことを表しています。つまり、満足な食事だったということです。話を形状に戻すと、一連の動きはまさに三角形を描いています。食べ散らかされた鶏肉を追うように、視線はジクザクに導かれ、興奮している様子を伝えます。

ある作品では、私は歌詞をもじりました。” We will we will rock you” の”rock”を”bratwurst”(ブラットブルスト・ソーセージ)の”brat”に置き換えました。“We will BRAT you”の言葉は、1組のブラットブルストサンドイッチの傍に叩きつけられ、サンドイッチは言葉が当たる度に跳みました。言葉がテーブルに物凄い力で当たっている印象を与えました。この力強く落ちる動きは、四角形のブロックのようです。跳ねるタイミングは歌のビートと一致し、音楽を視覚的に伝えています。

最後の例は草の中に寝そべる犬です。犬のまわりには繊細な白い線が小さな風を表す渦巻を形作っています。犬は喜びに浸っています! これらの渦巻は丸く、犬が庭でのんびりしている時、一層の穏やかさと落ち着きを表しています。

これらの例はすべて、モーションを通してどうやってブランドのキャラクターを伝え、結果としてオーディエンスに親しみを感じてもらうのかを表していいます。これらの手法を自分の作品に使ってみたらどうでしょうか? 間違いなく楽しんでもらえると思います。

 

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Tahnee Gehm         

アニマジシャン。アニメーションを通して魔法を生み出す。 CalArtsのキャラクターアニメーションの学位を取得し、アニメーション短編「Can We Be Happy Now」はAnnie賞にノミネートされた。その以来、ミュージックビデオ、ドキュメンタリー向けのアニメーション、その他の商業作品を制作してきた。現在はFullscreenのシニアモーショングラフィックスデザイナーで、アニメーションを通じてブランドに個性をもたらすことを楽しんでいる。

ビデオゲームに大きく影響を受けた彼女の最新のアニメーションにおける実験的作品は、ストーリーテリングのインタラクティブな形式を定義することを目標に、ゲームと映画の境界を横断する。

WOW

■デジタルに感じる生命性/田崎佑樹

 

こんばんは。WOWの田崎です。WOWは97年からスタートして今年で21年目。今は50人くらいでやっています。なぜ空間とかアプリ、プロダクトまでやっているのかとよく言われるんですけど、ビジュアルデザインというのは、一番大事な哲学で、視覚に映るものはすべてデザインの対象であるということを基本にした哲学です。CGというのは、ソフトウェアのシミュレーションの中ですべて世界観を作れるので、極端にいえば、CG上ではなんでも作れるので、すべてのことは可能であると考えています。主に4ジャンルありまして、ビジュアルアニメーションと、インスタレーション。UIX。リサーチ。アンダーアーキテクチャー。それぞれ担当が違ったり、まざり合ったりしていますが、僕の場合は、アートとアーキテクチャーをやっています。

今日は仕事とアートというのがテーマなので、仕事のプロセスとしては、すごくベーシックな企画、クリエイションということでやっています。クライアントは非常に多岐にわたっています。アートというところでいうと、テートとかV&Aといったミュージアムでエキシビションをさせてもらっています。コマーシャルとアート、両方同時にやっています。

事例として、これは中間さんと一緒にやったのですが、ヒュンダイは現代美術にものすごく投資をしていて、そこのアーティストとしてキュレーションされて、1年半くらいかけて、コンセプトの構築からすべての作品を製作していました。これはソウルで半年くらい展示していたもので、大きなテーマとしては生命というのがあって。先ほどもアニメーションの話が出ましたが、アニメーションというのは、もともとアニマというラテン語から来ていて、命を吹き込むという意味があります。そのアニメーションを僕らはずっと使っているので、アート作品のときには、基本的に生命を題材にしようと思っています。これはセンサーに手を当てると、自分の心臓に反応して、その鼓動がプログラムに反映されて、新しい命が生まれるということです。これはSwarmという、すごく原始的なプログラム言語で、これ自体は人工生命でよく使われています。鳥や魚など、非常に複雑な群体運動をたった3つの方程式で算出できるものです。僕らがやっていることは非常に複雑に見えますが、この後中間さんからも話が出ると思いますが、プログラム上、デジタル上で現れたものは、自然の方程式と結局差がわからなくなるんですね。こういった群体運動を見ても生命性を感じてしまうし、実際の鳥や魚の群体運動を見ても生命性を感じてしまう。デジタルとアナログは境界がないと僕らは思っているので、そういったデジタルと自然をミックスさせて、融合させようというのが、僕の作品の大きなテーマです。

 

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田崎佑樹(たざき・ゆうき)

WOW コンセプター/クリエイティブ・ディレクター

1977年、愛媛県生まれ。マサチューセッツ大学ボストン校留学を経て、アート&サイエンスと建築プロジェクトを中心に、コンセプト構築、クリエイティブ・ディレクションにおいて国内外、メディア領域を問わず活動。主な実績として、函館市次世代交流センター「はこだてみらい館」、アートインスタレーション作品『UNITY of MOTION』(韓国・ソウル)、彫刻家・名和晃平との共同プロジェクト『洸庭 | 神勝寺 禅と庭のミュージアム』(広島・福山)、東京工業大学ELSI(地球生命研究所)藤島皓介との共同プロジェクト『Enceladus』など。2018年、サイボーグ・ベンチャー企業MELTINのCCOに就任。

■自分の作品を常に作り続ける/中間耕平

みなさんこんばんは。いろいろ喋ろうと思って書類を作ったり準備をしてきたんですが、Fullscreenの方々の発表がすごくよくて、言いたいことをほとんど言ってもらったので、僕の場合は、遊びと仕事の絡みということで、僕が個人的に製作しているものが、どういう風に仕事とつながっているのかというのをお話ししたいと思います。こちらは、僕が個人的に製作している作品です。

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おしゃれな感じなのを毎日作っているんですけど、それだけだとちょっと自分のテイストと離れたところがあって、こんな感じのものも作ったりしています。これを公開したところ、dropboxのブランドリニューアルのアンセムムービーに、僕の作品の一部を使ってもらいました。この仕事は、ニューヨークのファーストアベニューマシンという会社のディレクターが僕の作品を見てくれて、ぜひ一緒にやろうということで、呼んでもらいました。ファーストアベニューマシンはずっと好きだったので嬉しかったですね。

もう一個はNIKEのヨーロッパのサッカーのキャンペーンです。これは世界中から十何人のアーティストを集めて、それぞれのプレイヤーをイメージしたムービーを製作しました。Youtubeといった、ソーシャル用のものです。

fullscreenの方もコカ・コーラを手がけていましたけど、僕もコカ・コーラのアトランタの副社長から一緒にやりたいということで連絡がありまして。これもインスタグラム用のムービーです。東京オリンピックとコカ・コーラとアドビ。白、赤みたいなゆるいルールがあって、何を作ってもいいということで。

仕事とアートの境界線ということですが、僕自身のやりたいことをアートというのはおこがましいんですが、やりたいことと考えるとあまり分けたくないなと。できれば自分のやりたいことと仕事を近づけたい。そのためにはやっぱり、自分の作品を常に作り続けて、世の中に波及して、その結果、仕事が世界中から来る。どんどんその循環が続いていくといいなと思っています。ありがとうございます。

 

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中間耕平(なかま・こうへい)
WOWヴィジュアルアートディレクター

TVCM、MV、展示映像などのCG制作やディレクションを行う。 オリジナル作品「Diffusion」、「Cycle」にて世界的な知名度を得る。人間の身体性を独自の観点から再解釈、再構成する事で人間原理に迫るアニメーション作品を生み出し続ける。国外から特に注目を集め続けており、グローバルなプロジェクトへの参加を続けている。

■多様な人と関わり合いながら未知のものを/北畠遼

北畠と申します。ざっくりとした経歴をご紹介します。2010年くらいからアメリカの学校でデザインとかの勉強をしていましたが、それが終わって、2013年にWOWに入って今に至るという感じです。今回のアートとアートじゃない、仕事と仕事じゃないといったところの境界なんですけど、パーソナルワークでも、仕事のものを作るにあたっても、基本的に自分の中で差をつけていなくて、どちらも見ている人に楽しんでもらおう、面白いものを作ろうといったスタンスでやっているので、この境界線というのは、僕の中ではあまりないと思っています。

今回は、そのパーソナルワークがどう仕事につながって、それがどんなサイクルができていったのかという事例を、簡単に紹介できればと思います。

まず、今ライフワークのように毎日やっている仕事があるんですが、これがどう仕事とつながっていったのかご紹介します。

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これは僕がアメリカにいたときに、アートセンター カレッジオブデザインという美術大学にいて、そこで作った卒業製作みたいなプロジェクトです。そのあとWOWに入社して、先ほどのプロジェクトをみた、オスカーやアカデミー賞を手がけている会社が、自分たちのブランドムービーを作りたいということで依頼されました。作品制作の間隔が空いていないということもあって、だいたい同じようなテイストで作って、当時の自分のスキルの範囲で作りました。

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こういったものを徐々に作っていくうちに、リリックスピーカーというプロダクトのコンセプトムービーの話が聞きました。これはアカデミー賞のムービーを作ってから多分2年ぐらい経っていたかと思いますが、その間に蓄積したスキルもあって、もうちょっと立体的なCGと、フラットなモーショングラフィックをいろいろブレンドしたような感じになりました。WOWに入ったばかりの頃は、CGも全然できなくて、ほとんどフラットなモーショングラフィックだけで作っていた感じですが、ちょっとずつ経験を積み重ねていって、たまたまこういう仕事が来た時に、持っているスキルをごそっとつぎ込む、ということをやっていました。

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流れとしては、パーソナルワークを初めてやって、それが一つの仕事につながって、ここには載せていませんが、似たようなテイストでルミネのCMもやってと、どんどん数珠つなぎのように仕事がつながっている感じです。リリックスピーカーは、製品自体のUXも合わせて手がけていて、実はディレクションも担当しています。ムービーだけでなく、プロダクトにもつながっているという事例のひとつです。

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これまでWOWで4、5年働いていますが、仕事の範囲が広いので、関わる人が多種多様なのが楽しいですね。自分の知らない分野の人とつながって、面白いものができたという事例として、これはWOWの20周年に社内のみんなでコンペをやろうと、一人ひとりムービーを作るという機会があったんですけど、僕はほぼビリでした(笑)。得票数は上位の人だけ公開されて、僕は公開されず、残念な結果に終わりました。でも、これで人物の形状を使って面白いことをやろうとしたのを、みてくれたのか、「Empire of The Sun」のPVを作ることになりました。

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このときは顔にフィーチャーするということで、いろいろなテクノロジーも盛り込み、その中でビジュアルを開発するということをやりました。このプロジェクトのすごく面白かったのが、人の動きや表情をキャプチャーして、CGの中に入れ込んでいったおこと。アメリカでは結構事例はあるんですが、日本ではあまりなくて。不確定要素が多いので、コントロールするのは結構大変ではあったんですけど、面白いなと。

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これは今回展示されている作品なんですが、これは手の動きをキャプチャーしたデータだけをベースに、全部ジェネレートしているような、自分でアニメーションをつけているわけではなく、粘土を握ってもらったり大元のキャプチャーした手の動きを、石鍋という弊社のプログラマー/ディレクターと一緒にチームを組んでやりました。手の動きをいかに情報としてビジュアルに展開していくかということをエクスペリメント的にやって、これは自分で一から狙った形状を作るというアプローチとは全く違ったものなので、自分でも思ってもみなかったような形状やビジュアルができて、すごく面白かったですね。

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何かプロジェクトで面白いことがあったら、それを次のプロジェクトの中でも生かしてみようとか、それがちょうど仕事にハマれば仕事でもやりますし、ハマるような仕事がなければ、こういったパーソナルなプロジェクトとしてもやってみるという循環があります。矢印はまだ続いていますが、こういった新しいテクノロジーを使ったプロジェクトをやっていて、もうちょっと先になると思いますが、今までのものを全部突っ込んだようなものを頑張って作っています。いろいろなものをいろいろな人とやるのが楽しいと思っているので、たまにステージデザインとかもやったり、イベント全体のアートディレクションをしてみたり、アプリの開発に入ってみたり。ビジュアルという大きなくくりの中で、いろいろな人と関わり合いながら、自分の知らないことをやったりするのが、すごく楽しいと思っています。ありがとうございました。

 

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北畠遼(きたばたけ・りょう)
WOWディレクター

MV、TVCM、デジタルメディア、イベントなどを中心に、幅広い領域での柔軟なディレクションを得意とする。日英のバイリンガルを生かし、国内外のプロジェクトに対して精度の高い企画とビジュアルの開発を強みとする。3DCGを用いたモーショングラフィックスを表現の軸にしつつも、プロジェクト単位で表現を開発しながら、常に新鮮で面白い表現を模索する。近年はトラディショナルな映像メディア以外にも、プロダクトのUI/UX開発やインスタレーションアートなど、ビジュアルデザインに関するさまざまな領域に活動の範囲を広げている。

DIALOGUE

 

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松田朋春(スパイラルシニアプランナー)

松田 ありがとうございました。すごく面白かったですね。予想通りですが、残り時間がすごく少なくなってしまいまして。ぜひお互いに質問をしてみてほしいですね。すごく似ているなと思いながら見ていましたけど、ひょっとしたら、男の子と女の子の違いなのかなとも思いました。いかがでしょうか。

 

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Jordan Smith(城西国際大学准教授)

ジョーダン OK。まず、通訳は全員に届けられなかったので、反応はビジュアルを見た素朴なコメントとなります。

(以下通訳)

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ターニ 全体的に圧倒的で、大好きでした。特にリアリティとテクノロジーの関係性、先ほど言ったアナログとデジタルの関係性など非常に興味深くて、手でモーションキャプチャーをとって、そこから新たなアートを生み出すというような力はものすごく興味深くて、感慨深いプレゼンテーションでした。ありがとうございます。

 

イライザ このイベントのアート/ワークというバイナリがあったんですけど、発表の中では「ライフワーク」という新たなキーワードが発表されて、DNAの螺旋のような感じがしました。スパイラルというこの建物にふさわしいようなたとえで。

 

クリスティーナ 全部好きでしたけど、最初のミュージックビデオのような作品が非常に良くて、それはテクノロジーを生かしているだけではなくて、テクノロジーと対話する、会話しているような気持ちで。遊び心はそれぞれの作品にはっきり明確に見ること、感じ取ることができました。

 

レノックス 発表を見て、リフレッシュできました。ほっとしました。なぜかというと、大きなブランド、大企業とやっているのに、すごくアブストラクトで、抽象的な遊び心も全部出されているような気持ちが強かったからです。素晴らしかったです。

 

松田 ありがとうございます。WOWの皆さんはどうですか。

 

中間 すごく共感する部分と、勉強になる部分がありました。さっき松田さんが言われた男の子と女の子の違いみたいなのも、根本は意外と一緒で。遊ぼうという気持ちと、仕事にどう反映するかという工夫みたいなのは、やっぱりどこの国でも、男女が違っても一緒だなと。だからこれからもいっぱい遊んでいきたいと、元気とやる気も出ました。

 

松田 何か質問はありませんか。

 

北畠 僕がプレゼンテーションの中で共感できるなと思ったのは、楽しい気持ちをちゃんと持ち続けているんだなっていうこと。仕事の中でもテンションを落とさずに、遊びをしたい、すごく楽しみたいという気持ちを持ちながらしているのかなと。常にそれをやり続けるのは難しいと思うんですが、そのテンションをキープするために常日頃やっていることがあったら教えてください。

 

イライザ “Free-for-all”という言葉があって、非常に訳しにくいんですけど、バトルロイヤルみたいな、みんなで同時にやるという、たくさんのサメが餌を取り合うようなイメージと、それだけでなく、みんなで自由に遊び放題という意味があるんですけど、2週間くらいかけて、このブランドで遊びたおす、というようなことを会社の中で勝手にやったりしています。そうすると、冗談みたいな、変な発想がいろいろ生み出されます。それ以外には、同じブランドをずっとやっていると退屈してしまうので、長くても3ヶ月ごとに交代することはあります。そちらは何かヒントとか、助言とかありますか?

 

中間 僕は本当に無趣味な人間で、会社で映像を作って、そのストレスを家で映像を作って発散するというつまらない人間なので(笑)。

 

ジョーダン ライフワークですね。

 

松田 田崎さんからは何かありますか?

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田崎 Fullscreenの皆さんはソーシャルメディアをフィーチャーしてやっているんですよね、基本的に。

 

ジョーダン 「Fullscreen media」という社名なので、ほとんどそうです。

 

田崎 ソーシャルメディアって大変じゃないですか。

 

イライザ ペースが早いですね。あとはたくさんのプロジェクトもあるので、どんどん生み出さないと。

 

田崎 僕は疲れちゃうんですけど。難しいじゃないですか。Facebookも今、ザッカーバーグがものすごくテスティファイされているし。どういうモチベーションでやっているのだろうかと。

 

イライザ ソーシャルメディアのサイズとか、特に知らせもなく勝手にいろいろ変わったりするので、せっかくデザインしたものがダメだと気がつくことも少なくないです。幸い、それを担当する人間がいて、クリエイションに集中できるよう、守ってくれる役目を果たしてくれています。

 

クリスティーナ ソーシャルメディアの流転よりも何が一番大変かというと、小さい会社のブランディングを担当すると、会社が大きくなるとともに、いろいろな変化があるということです。最初にフォローしてくれるような人たちは、本当にそのブランドのものが大好きで、ファンの情熱を示してくれるような感じなので、簡単ではないですが、オーディエンスは限られている分、狙いははっきりしています。規模が大きくなると、多くの人の目を引きつけることは非常に難しいです。スペシフィックな狙いは簡単ですが、マスマーケティングのようになってくると、どのような工夫がよいのか、新たなマーケティングリサーチが必要となるので、その人たちとの調整は自分の作品にも影響を与えるので難しいですね。

 

ジョーダン 松田さんはいかがですか。

 

松田 でも拝見していて、FullscreenもWOWも、どちらも自分の作品も作るし、依頼された仕事もするけど、まず自分の作品がありきなんですよね。その表現がクライアントを引き寄せるわけで、仕事自体はそんなにストレスがないと思いました。無理やりやらされているという感じもないし。だから、アート=仕事以外に作品を発表していく意味というのはすごく大きいんだなとは改めて感じました。それから、Fullscreenの仕事で面白いと思っているのは、やっぱり企業のメッセージを受け取る人って個人じゃないですか。だから、個人としてメッセージを出す、表現をするという枠がきちんとあるという感じがしたんですよね。WOWの方は企業なら企業の言いたいことを、ベストな表現で全部表そうとするから、そんなにパーソナルな感じはしないんだけど、その企業のメッセージを作品の表現が超えているんです。それがすごく共感を呼んでいるだなと思ってみていました。

 

ジョーダン それは、今回のトークのよいまとめとなるんじゃないでしょうか。

 

松田 時間になってしまいました。でもこの限られた時間の中では、十分なお話しを聞けたような気がします。ありがとうございました。

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