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ジル・ジョバン 「Text to Speech」

Spiral Performing Arts Series vol.2
2008.07.25~07.26

1997 年以降、ヨーロッパや南米を中心に、これまで11作品のダンス公演を発表してきた、スイスを拠点とするコンテンポラリー・ダンスカンパニー「ジル・ジョバン」、の日本初公演を行いました。

「ジル・ジョバン」の作風は、身体を介してゲームのように互いのルールを作りながら生み出されるユーモラスな動きを特長とし、コンテンポラリー・ダンスの新時代を築く振付家の一人として、近年高い注目を集めています。本公演では、ジル・ジョバン初来日作品として2008 年3 月にパリ市立劇場の1,000 席を満員にした最新作「Text to Speech」を上演しました。本作は、世界各地で勃発する内紛や戦争を題材に、人と情報との関係性をダンサーの身体と映像や音声から流れるテキストによって描き出しました。

【「Text to Speech」解説】
大小のテーブルで静かにパソコンに向かう6 人の男女、張り巡らされたロープ、炎上するスクリーン。ここでは、パソコンから流れてくるニュースによって、パフォーマーは次第にそのバランスを失っていき、他者を、そして自分自身を傷つけていきます。これは、様々なメディアに取り巻かれて生活する私たちの間に存在する、"崩壊する個と個の関係"が紡ぎ出されるフィクションです。舞台上の出演者は、音声ソフト"Text to Speech"が読み上げる架空の紛争を語るニュースにシンクロするように踊ります。実際に起こっている紛争、情報として遠く離れた私たちの目や耳に届く増幅するニュースや映像が描き出す紛争のイメージ。それらが創り出すものは何か...。ここには、ジル・ジョバンからの明確な答えはありません。観客は、舞台に答えを求めるのではなく、舞台上に描き出される世界を見、<思考>するという形で作品に<参加>します。<世界>とはなにかを、観客自身が考えるきっかけを得るのです。

■ 開催概要

振付・舞台美術:ジル・ジョバン
出演:カンパニー ジル・ジョバン(ジャン=ピエール・ボノモ、リチャード・カボレ、スン・イン・クオン、ジル・ジョバン、スザナ・パナデス、ディアスルディ・ヴァン・デルメルヴェ)
音楽:クリスチャン・ヴォーゲル
舞台監督:上林英昭

主 催:株式会社ワコールアートセンター
共 催:財団法人山口市文化振興財団
後 援:スイス大使館
助 成:スイス・プロ・ヘルヴェティア文化財団
企画制作:スパイラル、山口情報芸術センター(YCAM)

■ プロフィール
ジル・ジョバン
ダンサーとしての経験を経て、1997 年に振付家として初めて「A×B=X」を制作。性別、自分と他者といった相対する側面に注目した同作品は、ヨーロッパをはじめ南米を含めた9 カ国16 都市を巡回しました。2001 年には、世界の振付家があこがれるパリ市立劇場(フランス・パリ)で「メビウス・ストリップ」を上演し、続いてシャウビューネ(ドイツ・ベルリン)、リヨン・ビエンナーレ(フランス・リヨン)など、世界のコンテンポラリー・ダンスの殿堂と言われる場所で公演をおこなってきました。2003 年にはジュネーヴの国立バレエ団に振付を委嘱され、作品を発表するなど意欲的に活動を続け、これまでに11 作品を国内外で発表しています。

主な受賞
1999 年 ZKB prize 受賞。 Zurcher Theater Spektakel
2001 年 SACD(Societe des Auteurs et des compositeurs
Dramatiques,Paris/Bruxelles/Montreal)※スイス人振付家として初めて受賞
2004 年 Culture Leenaards2004 受賞 ほか

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