2009年最後となる展覧会は、オランダを拠点に活動を展開するデザインスタジオThonik(トーニック)の日本初個展を開催しました。
1993年にThomasとNikkiによってアムステルダムに設立されたThonikは、ダイナミックな独自の表現方法で現在世界から注目を集めています。デザインユニットDroog Design(ドローグデザイン)や建築家MVRDV など、現在、オランダのクリエイティビティは世界から注目を集め、自由で挑発的、そしてユーモア溢れる批判精神が特徴です。今回ご紹介するThonik(トーニック)は、オランダ国内はもとより、世界からも注目を集める気鋭のデザインスタジオです。
彼らのデザインは、明快なグラフィックとヴィヴィットな色彩で人々を引きつける力強さを含んでいます。数ある仕事に共通するのは、プロジェクトに対しストイックなまでに論理的に詰めたコンセプトから、一定のルールを構築しデザインする手法です。グラフィックにとどまらず、CMやイベントを含む立体的なコミュニケーションデザインにも優れた彼らの仕事は、街に出て人々を巻き込み、メッセージを躍動させる力を持っています。これまでにユトレヒト美術館、ボイマンス美術館、アムステルダム市、ヴェネチアビエンナーレ建築展等のビジュアルアイデンティティ(VI)やオランダ社会党(SP)の選挙キャンペーンなど、多数の公共機関・文化施設との仕事を手掛けてきました。
日本で初めての個展となる本展では、スパイラル1Fのギャラリースペース、カフェスペースの両方を合わせた、空間全体を変容させるダイナミックなインスタレーションを展示。また、彼らが東京のカルチャーで特にインスピレーションを受けたという「食」にフォーカスした仕掛けも展開しました。展覧会タイトルにある"en"は、オランダ語で"~と(and)"の意味。日本語の「縁」という言葉から発想を得たものです。デザインを通じてダイレクトなコミュニケーションを仕掛けるThonik の世界を体感する展覧会となりました。
時間:11:00~20:00(12/15は18:00まで、12/20、23は19:00まで) 無料
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
後援:オランダ大使館
助成:モンドリアン財団
Thonikによるギャラリーツアーや、ナビゲーターにジャーナリストの川上典李子氏をお迎えしてのアーティストトークを開催しました。