古今東西の文様研究をしながら、繊細で緻密な絵付け技術を習得した葉山有樹が、世界四大文明などに着想を得て、文様の「昨日、今日、明日」を表現する新作、約40点を展示しました。
1961年有田生まれた葉山は、15歳でこの世界に身を投じ、1985年には独自の表現を獲得する為に自身の窯を開きました。以来、弛まぬ技術鍛錬と文様研究に励み、その結果、驚異的なまでの緻密な絵付けの技術と独創性を獲得しました。葉山の作品は、一見すると極めて伝統的な「工芸品」ですが、目を凝らしてみれば、その超人的な精密さと、現代日本を代表する表現様式アニメーションの影響等、過去と現代が見事に融合した新しい造形である事が分かります。
また作品の制作には、毎日の文様研究と、僅か直径5cmを描き上げるのに数時間を費やす絵付けをはじめ、完成まで3回から7回の窯入れ等、尋常ならざる手間と時間をかけています。例えば「万花彩」と名付けられた作品には78種類もの草花が丹念に色彩豊かに描かれていますが、これは後世に現在の彩色技術を伝え残す為に制作されました。描かれた細密世界には、人類がこれまで培ってきた文明の痕跡と太古から脈々と受け継がれてきた人々の願い、そして次代の人々への様々なメッセージが込められています。
主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
助成:財団法人ポーラ美術振興財団
協賛:株式会社ワコール
協力:デザインミュージアム(ヘルシンキ)
後援:国際交流基金、フィンランド大使館、フィンランドセンター
会場構成:武松幸治+E.P.A.
グラフィックデザイン: グルーヴィジョンズ