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フランスを拠点に世界で活躍したアーティスト、ジャン=リュック・ヴィルムート(1952-2015)は、折りに触れて人々に問いかけました。人と人をつなぎ、人と環境をつなぎ、より良い世界を共につくる。その手法として、彼は多くの「出会いの場」を生み出しました。世界を愛し、人を育てる、その温かい眼差しは、教育の場でも実践され、エコール・デ・ボザール(パリ)などで多くの若い才能を輩出しています。
本展では、過去作品の展示に加え、エコール・デ・ボザールの教員・学生によるパフォーマンスやワークショップ、多彩なゲストによるレクチャーなどを実施。<目で知り><耳で学び><参加を通じて深め><対話によって発展させる>ことを通じ、未来の才能へとバトンをつないでいきます。
ジャン=リュック・ヴィルムートから広がる、豊かな気づきと出会いの場「Espace de réflexion」に是非ご来場ください。
会場表記のないイベントは全てスパイラルガーデン(スパイラル1F)にて開催いたします。
【ハッシュタグ】
#JLV #EdR #espace_de_reflexion
【PERFORMANCE & HAPPENING】エコール・デ・ボザールの学生によるワークショップ
■【PERFORMANCE】エコール・デ・ボザールの学生によるパフォーマンス
YOURSは、ジャン=リュック・ヴィルムートの教え子によるフランスのアーティスト集団です。
Surprise Short Performances
《Wolf Pack》8月20日(火)17:30-17:45
《The tree》8月22日(木)17:30-17:45
《A gift》8月24日(土)17:30-17:45
公募で集まった若手アーティスト20組(予定)が、絵画、パフォーマンス、立体など多岐にわたるそれぞれの表現を1時間ずつスパイラルのアトリウムで発表する個展を開催します。本企画は、ジャン=リュック・ヴィルムートの教え子で、アーティストである有吉修史考案によるプログラムです。参加者及びタイムスケジュールは、8月上旬に www.spiral.co.jp/topics/spiral-garden/espace-de-reflexion-1 にて発表します。
開催日:8月19日(月)〜8月23日(金)11:00-20:00随時
パリにあるノートルダム寺院と東京のスパイラル、宗教と文化、2つのパワースポットの類似点をテーマとしたパフォーマンスを行ないます。
開催日時:8月24日(土)11:00〜13:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
参加無料・予約不要(会場に直接ご来場ください。)
<Kickoff Event “OMIAI”>
2019年8月17日 (土) 18:00-20:00
本展に出展するアーティスト、関係者、エコール・デ・ボザール(パリ)の学生ならびにジャン=リュック・ヴィルムートにゆかりの人々をお招きし、交流会を実施します。是非お気軽にご参加ください。
ジャン=リュック・ヴィルムート/Jean-Luc Vilmouth
JLVと共に
2015年冬、世界が美しく彩られる頃、彼は何の前触れもなく旅立ちました。人と人、モノとモノの関係性について多様な様式で表現してきた彼がしきりに口にしていたのは、人とアートの関係、その教育についてでした。このことは彼に寄り添う人全員が共有する事項でした。哲学者、教育者、キュレーター、アーティスト、恋する人々。
才能のある若者に磨きをかけ、送り出す装置。国境や経済に左右されず、公平で自由な場。そんな「学校」のようなモノ、コトが必要なのではないか。こんな彼の問いを、彼に寄り添ってきた人々と展覧会の形で試行しよう考えました。
Watch your step、彼の言葉です。
ジャン=リュック・ヴィルムート 円と螺旋 ― サークルとスパイラル ―
2014年、道後オンセナートの企画で「道後やや」ホテルの一室の空間を手掛けることになったジャン=リュック・ヴィルムートは、油性のフェルトペンを手に取り、円形の壁掛け時計から空間全体に広がっていく同心円を描きました。『Time Room』と名付けられたインスタレーションです。
ジャン=リュック・ヴィルムートには多くの円が存在します。円は彼のモチーフであり(例えば『Pourquoi le monde est-il devenu rond ? (どうして世界は丸くなったの?)』のインスタレーション等)、彼の手法でもあります。円は単純なだけではなく効果的なフォルムであり、だからこそ彼は円に惹かれたのです。 円は最短の外周で最大の面積を示すもの ― ジャン=リュック・ヴィルムート式にいえばそれは「単純かつ効果的」で、彼自身を導く指針でもありました。しかも、円はある行程を描くのです。自己から出発し、他所や彼方を経て自己へとたどり着くその行程を。出生の地モゼルからアマゾン、日本あるいは台湾へ……、自らを導くこうした道のりをジャン=リュック・ヴィルムートは愛しました。大きな迂回は、けれど彼を常に己へと連れ戻します。円は出発点と到達点とが一致する図形なのです。こうした完全さ、自己への誠実さ、妥協のなさもまたジャン=リュック・ヴィルムートの特徴と言えるでしょう。円のように単純で純粋な過激さ。彼は遠くへ、常にさらに遠くへと向かいます(『You’ve gone too far』アトリエ・ヴィルムート)。けれど決して道に迷うことなく、他者との出会いの後、己へと帰り着くのです。ジャン=リュック・ヴィルムート作品は他者と出会うために発ち、彼らと交換し、その身に自らを置き換えます(『My Dreamhouse – Myself as…』)。出発点と到着点は同じですが、そこに小さなずれ、小さな変化がみられるのは交換を経たからです。衣服の交換、内側と外側の交換。円は、逆転という実験に、そして思索する空間になっていきます。 こうした他者への好奇心と愛が、ジャン=リュック・ヴィルムートの円を、利他的な身振り、交換の身振り、抱擁の身振りにしているのです。自己から他者を経て自己に達することで、様々な規模の、ある程度大きな円が生まれます ― You(あなた)とMe(わたし)の間、Nature(自然)とMe(わたし)の間、木と自分の間、日本と自分の間に。そしてそれは、実際には小さな環境、小さなエコシステムの、親しみ深い円でもあるのです。世界をより住みやすく、人間的にしようとの思いでアーティストが設定した小さなエコシステムです。こうしてジャン=リュック・ヴィルムートは、人間関係の構築者ならではの手法で、あるいは人間的な愛情のセレモニーの達人として、言葉の装置、交換の装置を生み出したのです。 ジャン=リュック・ヴィルムートのスパイラルガーデンでの初めての個展が『Bar Séduire (魅惑のバー)』だったことも意外ではありません。同展では、自己への内観として他者との出会いが演出されました。他者の経験が引き起こす微妙なずれとともに自己に帰る、それは厳密に言えば螺旋(=スパイラル)なのです。地平線のような他者とともに、ジャン=リュック・ヴィルムートは独自の思索空間を創出しました。パリのエコール・デ・ボザールの自身のアトリエがそうであったように、世界や動物、未来、自然、そして不可視なもの等について、絶えず新たな問いかけが円(=サークル)となっていきます。そして東京のスパイラルからパリのボザールへと、私たちは今回の展覧会のなかに、ささやくような、けれど執拗で、絶えることのなかった彼の思索を再び響かせたいと思います。
What do you think ? あなたはどう思う?
Espace de réflexion
ージャン=リュック・ヴィルムートが伝えつづけた愛と学びー
会期:2019.8.17(sat) -8.25(sun) 11:00-20:00
会場:Spiral Garden(Spiral 1F)
入場無料
主催 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 スパイラル
特別協力 エコール・デ・ボザール・ド・パリ
協力 かんらん舎、SIA 事務局(有吉修史、加納喜代美)、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、武松幸治+E.P.A
後援 レザミ・ド・レコル・デ・ボザール・ド・パリ
Special Thanks リザ・ワイト、レイラ・ワイト
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