MINA-TOでは、増井岳人の彫刻展を開催いたします。
主に陶器による彫刻の表現手法を用い、ユニークな作品を発表し続けている増井岳人。
1979年に生まれ、幼少期の土遊びや縄文土器を見たときの原始的な体験が、今の彫刻に繋がっていると話す作家が生み出す彫刻はどこか懐かしく、柔らかい物腰で語り掛けてくるような作品が目立ちます。また、土のスペシャリストとして複数の美術学校で教鞭をとっている増井ならではの技法や組み合わせは、従来の陶の彫刻に持っていたイメージがガラリと変わる、ユーモアに富んだ作品としてジャンル問わず多くのファンを持っています。
本展では、タイトルにもなっている「good night」シリーズを中心にご紹介いたします。蓄光顔料を使用したこのシリーズは、明るい場所で見た陶の滑らかなの表情からは想像もつかないほど暗闇で輝く、二面性を持った神秘的な作品です。また、もうひとつの特徴であるピース(破片)を繋ぎ合わせて作るこの唯一無二でストイックな技法により、焼き物ではあまり見ることのできない大きさを実現しており、こちらも本展の見所です。
そして今回は、光の有無で表情の変わる作品を存分に堪能していただくため、2つの会場で作品を展開します。
MINA-TO(Spiral 1F)では、陽の光を受けて立ち現れる滑らかな陶の表情を、CAY(Sprial B1F)では、暗闇の中で、陶片のつなぎ目が光り輝くことで生まれる新たな表情をお愉しみいただけます。
ジャンルレスに作家をご紹介してきたMINA-TOの中でも特に異彩を放つ本展を、是非この機会にご覧ください。
■作家メッセージ
こわれたものを、もとにもどす。
というコンセプトで作品をつくっている。
乾燥の収縮を利用して土にひびを入れ、その破片を焼成し、またもとのかたちにもどしてゆく。
まったくもとのかたちにもどすことは難しいけれど、がんばれば、それなりにかたちになるものだ。
表面のひびに、僕なりの意味を見出し、そのひびを蓄光顔料でうめてみた。
暗闇では、当たり前にそこだけが光る。
暗闇で発光する蓄光という素材は、小さい頃からずっと不思議に思っていた。
「彫刻」や「やきもの」といった、重厚でストイックなイメージの存在が、途端にチープで軽々しく見えてくるからなんともいえない。
明るい時には気付けないその光は、この世界のいろんなことと似ている気がする。
増井岳人
■COMESANDGOES×増井岳人 限定コラボアイテムオーダー会
同期間でご紹介予定のCOMESANDGOESとのコラボキャップを限定で販売いたします。
※完全受注生産となりますので、お渡しは後日とさせていただきます。
COMESANDGOESのイベント情報はこちら
会期:2020.12.26(sat) -2021.1.17(sun) 11:00-19:00
会場:MINA-TO(Spiral 1F)
会期:2020.12.26(sat) -2021.1.17(sun) 12:00-18:00
会場:CAY(Spiral B1F)
※CAYの会場にお越しの際は1FのMINA-TOスタッフがご案内いたしますので、お気軽にお声がけください。
スパイラルは、2020年12月29日(火)〜2021年1月3日(日)の間、全館休館とさせていただきます。期間中、ご不便をおかけしますが、よろしくお願い申し上げます。
なお、全館休館前後の営業時間については、スパイラル営業時間変更のお知らせから、最新情報をご確認ください。