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「盛り」の誕生 ー女の子のビジュアルとテクノロジーの平成史ー

スパイラルスコレー協力イベント
2019.4.17/5.10/6.7

「リゾートファッション」に身を包み、「日焼けした肌に茶髪」の女の子たち。世界からも注目された「ヤマンバ」「マンバ」。ネット上に多く投稿された「デカ目」のプリクラ。「インスタグラム」のタイムラインに流れてくる、異様なほど色鮮やかな「インスタ映え」写真の数々。

平成の時代、日本の女の子たちは、大人たちにとっていくらか不可解なビジュアル表現をしてきました。
本講座では、1990年代半ば以降のデジタルテクノロジーの発展と共に、日本の女の子たちに広がり、今なお変化し続けるビジュアルコミュニケーション「盛り」の変遷を辿っていきます。

講座は、「盛り」の歴史を大きく3つの期間に分け、第1回では1990年代半ば以降の《MORI1.0》、第2回は2000年代半ば以降の《MORI2.0》、第3回は2010年代半ば以降の《MORI3.0》に焦点を当てます。また、各回では当時を実際に体験した証言者たちをゲストに迎え、各時代の「メディア環境」と女の子たちの「盛り」文化との関係をひも解きます。

日本の女の子の「盛り」に興味ある方はもちろん、かつて親しんだ女の子文化を振り返りたい方、女の子たちの不可解な行動を解明したい方など、お待ちしております。

■ コーディネーター
久保 友香/Yuka Kubo
1978年、東京都生まれ。2000年、慶應義塾大学理工学部システムデザイン工学科卒業。2006年、東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了。博士(環境学)。東京大学先端科学技術研究センター特任助教、東京工科大学メディア学部講師、東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員など歴任。シンデレラテクノロジーなどの研究に従事。専門はメディア環境学。
最新刊『「盛り」の誕生』(太田出版) 2019年4月18日発売
■ 【第1回】「盛り」の美意識《MORI1.0》 ※終了しました。

1990年代半ば以降の《MORI1.0》の時代、ポケベルを始めとしたモバイル端末の普及や、ストリート系雑誌の創刊が相次ぎ、大人の知らないところで、若者たちだけの文化が発展しました。中でも渋谷を中心に、肌を黒く焼き、髪を脱色するなど、歴史の中でも奇抜なビジュアルをする女の子たちが増加。さらに、プリクラ写真の上でより望ましいビジュアルを叶えようとしたことなどを機に、「盛り」の概念が生まれます。
彼女たちはなぜ「盛り」を始めたのか?「盛り」の目的とは何か?「盛り」 が普及するきっかけを作ったと考えられる古田奈々恵さん、当時のギャル文化を社会学的に分析する研究者の荒井悠介さんをゲストに迎え、「盛り」の美意識に迫ります。

古田 奈々恵/Nanae Furuta
エンタテインメント企業勤務。1998年、青山学院高等部入学。学生時代は渋谷を拠点とし、日本で一番メディアに取り上げられたギャルサークル「Angeleek」の代表を務め、数々の学生イベント運営する。現在はエンタテインメント企業で働く一方、世界の国々を巡っている(現在55ヵ国達成、100ヵ国 制覇が目標)。
Instagram:frt7a
荒井悠介/Yusuke Arai
一橋大学社会学研究科特別研究員。大学時代、渋谷でトップのイベ ントサークル「ive.」で代表を務める。大学卒業後、 慶應義塾大学大学院へ進学し、「ギャル・ギャル男文化」を研究。 修士論文を元に著書『ギャルとギャル男の文化人類学』(新潮社、2009年)を刊行。慶應義塾大学SFC研究所上席所員、日本学術振興会特別研究員(DC2)を経て、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。 ギャルの憧れの学校BLEAにて教育に関わり、明星大学非常勤講師などを務める。
■ 【第2回】「デカ目」のテクノロジー論《MORI2.0》 ※終了しました。

2000年代後半からの《MORI2.0》の時代、女の子たちは「ガラ携」を使ってインターネット上でコミュニケーションを始めました。そこでは、プリクラやメイクを使って、目を大きく見せることがさかんになっていきます。
彼女たちはなぜ異様なほど大きい「デカ目」を目指したのか?「デカ目」ブームのきっかけとなったプリクラ「美人ープレミアムー」を開発した稲垣涼子さん、化粧雑貨メーカの広報としてアイメイクの流行を観察してきた玉置未来さん、「デカ目」ブームを高校生で体験したライターの夏生さえりさんをゲストに迎え、「デカ目」の背景にある「女の子心」を探ります。

稲垣 涼子/Ryoko Inagaki
フリュー株式会社「GIRLS'TREND研究所」所長。大阪教育大学大学院教育学研究科数理情報コース修 士課程修了。フリューにて、プリントシール機の商品企画に約13年携わり、「姫と小悪魔」(2006)、「美人ープレミアムー」(2007)、「Lumi」 (2009)などのヒット商品を多数企画する。その後、企画部部長を経て、現在は「GIRLS'TREND研究所」所長として女子高生・女子大生の動向について研究を続け、フリーマガジン『GIRLS’TREND』編集長も務めている。
玉置 未来/Miki Tamaki
株式会社コージー本舗広報。大学卒業後、化粧品メーカにて営業職を3年間経験する。2006年、化粧雑貨メーカ・コージー本舗(1927年創業)に入社。13年間に渡り、つけまつげや二重まぶ た化粧品を始めとしたアイメイク商品のPRに携わり、女性の目元まわりの美を創造し続ける。
夏生 さえり/Saeri Natsuo
フリーライター。出版社、Webメディアでの編集者を経て、ライターとして独立。取材、エッセイ、ショートストーリーの執筆など、女性向けコンテンツを多く手がける。著書に『今日は、自分を甘やかす』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『今年の春はとびきり素敵な春にするってさっき決めた』(PHP研究所)などがある。
Twitter:N908Sa
■ 【第3回】「盛り」サミット《MORI3.0》

2010年代後半からの《MORI3.0》の時代、女の子たちはSNSを通じ、国境を越えてメイクやファッションなどの情報交換を行うようになっていきます。
第3回は、中国在住時より日本のファッションを好んでいた静電場朔さん、タイ在住時より日本のギャルファッションをしていたギャル電まおさん、日本在住で韓国のオルチャンメイクをする日本人のもーちぃさんと国際色豊かな方々をゲストに迎えます。
バーチャル空間で女の子たちは、どのように「盛り」の文化交流をしているのでしょうか?化粧、写真加工、美容整形などに関する、日本とアジア各国での文化的な違いも探ります。

静電場 朔/Saku Seidenba
アーティスト、ファッションリーダー、モデル。中国北京市生まれ。中国伝媒大学(National Communication University of China)のアニメ監督学科卒業後、東京に拠点を移し、中国・日本で画展を開催。音楽ユニット「問題児(Question Children)」を立ち上げ、日本で音楽活動中。
Facebook:@deincosmos、Youtube:@Question Children、Weibo:靜電場朔
https://www.xl-universe.com/
Twitter:@diansaku
Instagram:@deinsaki
ギャル電まお/Mao Gyaruden
「ギャル電」メンバー。日本人とタイ人を両親に持ち、9歳から高校卒業までタイに在住。「渋谷のギャル全員が自力で光る世の中」 を夢見て、ユニット「ギャル電」を結成する。渋谷における電子工作ブームの到来を予期し、技術サポートができるように大学で電気電子工を修了。現在は大学院修士課程において、DIY電子工作カルチャーをリアルストリートに広める研究に従事する。
Twitter:@GALDEN999
Instagram:@galdenshikousaku
@maoikeno
もーちぃ/MOHCHI
大学3年生。小学生時より日本のコリアタウン・新大久保に在住。高校2年生でWEBマガジン「SORENA」を立ち上げ、元祖JKライターとして記事の執筆を開始する。現在はJDエディター&マーケターとして、主に10代のトレンドに関する記事の執筆や講演を行う。
Twitter:mjmomleye6
Instagram:mochi_mochi_kr
■ 開催概要

開講日: ※終了しました。
2019年4月17日(水)19:00-21:00(18:30開場)
2019年5月10日(金)19:00-21:00(18:30開場)
2019年6月 7日(金)19:00-21:00(18:30開場)

会場:
スパイラルルーム(スパイラル9F)
東京都港区南青山5-6-23

受講料:
各回 3,000円(税込)
全3回通し 8,000円(税込)

定員:
各回40名(定員に達し次第締切)

お問い合わせ先:morinotanjo@gmail.com(『「盛り」の誕生』事務局)
主催:『「盛り」の誕生』事務局
協力:スパイラルスコレー、太田出版

▶「Spiral Schole」について
スパイラルと運営母体のワコールが共同で推進するエデュケーションプログラム。開館30周年を記念し、2015年4月にスタートしました。本プログラムでは、スパイラルとワコールがこれまでに培ったノウハウとネットワークから選び抜いた、経験豊かなプロフェッショナルを講師として迎え、様々なニーズに合わせた講座を実施しています。
http://www.spiralschole.com

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