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「リゾートファッション」に身を包み、「日焼けした肌に茶髪」の女の子たち。世界からも注目された「ヤマンバ」「マンバ」。ネット上に多く投稿された「デカ目」のプリクラ。「インスタグラム」のタイムラインに流れてくる、異様なほど色鮮やかな「インスタ映え」写真の数々。
平成の時代、日本の女の子たちは、大人たちにとっていくらか不可解なビジュアル表現をしてきました。
本講座では、1990年代半ば以降のデジタルテクノロジーの発展と共に、日本の女の子たちに広がり、今なお変化し続けるビジュアルコミュニケーション「盛り」の変遷を辿っていきます。
講座は、「盛り」の歴史を大きく3つの期間に分け、第1回では1990年代半ば以降の《MORI1.0》、第2回は2000年代半ば以降の《MORI2.0》、第3回は2010年代半ば以降の《MORI3.0》に焦点を当てます。また、各回では当時を実際に体験した証言者たちをゲストに迎え、各時代の「メディア環境」と女の子たちの「盛り」文化との関係をひも解きます。
日本の女の子の「盛り」に興味ある方はもちろん、かつて親しんだ女の子文化を振り返りたい方、女の子たちの不可解な行動を解明したい方など、お待ちしております。
1990年代半ば以降の《MORI1.0》の時代、ポケベルを始めとしたモバイル端末の普及や、ストリート系雑誌の創刊が相次ぎ、大人の知らないところで、若者たちだけの文化が発展しました。中でも渋谷を中心に、肌を黒く焼き、髪を脱色するなど、歴史の中でも奇抜なビジュアルをする女の子たちが増加。さらに、プリクラ写真の上でより望ましいビジュアルを叶えようとしたことなどを機に、「盛り」の概念が生まれます。
彼女たちはなぜ「盛り」を始めたのか?「盛り」の目的とは何か?「盛り」 が普及するきっかけを作ったと考えられる古田奈々恵さん、当時のギャル文化を社会学的に分析する研究者の荒井悠介さんをゲストに迎え、「盛り」の美意識に迫ります。
2000年代後半からの《MORI2.0》の時代、女の子たちは「ガラ携」を使ってインターネット上でコミュニケーションを始めました。そこでは、プリクラやメイクを使って、目を大きく見せることがさかんになっていきます。
彼女たちはなぜ異様なほど大きい「デカ目」を目指したのか?「デカ目」ブームのきっかけとなったプリクラ「美人ープレミアムー」を開発した稲垣涼子さん、化粧雑貨メーカの広報としてアイメイクの流行を観察してきた玉置未来さん、「デカ目」ブームを高校生で体験したライターの夏生さえりさんをゲストに迎え、「デカ目」の背景にある「女の子心」を探ります。
2010年代後半からの《MORI3.0》の時代、女の子たちはSNSを通じ、国境を越えてメイクやファッションなどの情報交換を行うようになっていきます。
第3回は、中国在住時より日本のファッションを好んでいた静電場朔さん、タイ在住時より日本のギャルファッションをしていたギャル電まおさん、日本在住で韓国のオルチャンメイクをする日本人のもーちぃさんと国際色豊かな方々をゲストに迎えます。
バーチャル空間で女の子たちは、どのように「盛り」の文化交流をしているのでしょうか?化粧、写真加工、美容整形などに関する、日本とアジア各国での文化的な違いも探ります。
開講日: ※終了しました。
2019年4月17日(水)19:00-21:00(18:30開場)
2019年5月10日(金)19:00-21:00(18:30開場)
2019年6月 7日(金)19:00-21:00(18:30開場)
会場:
スパイラルルーム(スパイラル9F)
東京都港区南青山5-6-23
受講料:
各回 3,000円(税込)
全3回通し 8,000円(税込)
定員:
各回40名(定員に達し次第締切)
お問い合わせ先:morinotanjo@gmail.com(『「盛り」の誕生』事務局)
主催:『「盛り」の誕生』事務局
協力:スパイラルスコレー、太田出版
▶「Spiral Schole」について
スパイラルと運営母体のワコールが共同で推進するエデュケーションプログラム。開館30周年を記念し、2015年4月にスタートしました。本プログラムでは、スパイラルとワコールがこれまでに培ったノウハウとネットワークから選び抜いた、経験豊かなプロフェッショナルを講師として迎え、様々なニーズに合わせた講座を実施しています。
http://www.spiralschole.com