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SICF24 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展 クニト「焼成隕石」

2024.5.10 - 26
《落ちてきた小さき部屋》(2016)cloth, FRP, ball, steel photo: marc and porter

昨年5月に開催したアートフェスティバル「SICF24(第24回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)」のEXHIBITION部門において出展クリエイター100組の中からグランプリに選ばれたアーティスト、クニトによる個展を開催します。

クニトは、陶芸を出自に持ち、樹脂や布、木材、ガラス、光といったさまざまな素材を用いて、彫刻やインスタレーションを制作しています。 グランプリ受賞作《Pillars of Creation》は、宇宙から地球に向かって粘土を落としたら、大気圏突入時の圧縮熱で焼成されて、このような造形が生まれるのではないかという想像をもとに作られたFRPの作品です。空気抵抗や重力による変形、熱による表面のガラス化などが考慮に入れられた作品は、その独創的な造形と、金属のようにも漆のようにも見える目新しい質感で観る者を圧倒します。 審査では、壮大なアイデアとそれを作品に仕上げるための高い技術や完成度などが評価され、グランプリ受賞に至りました。

本展では、スパイラルを象徴する円形の空間に、焼成された粘土が複数落ちてきたらどうなるか?という、かつてない規模の想像のもと、《Pillars of Creation》とKAIKA TOKYO AWARD 2020で入選した《落ちてきた小さき部屋》の旧作2点に、新作1点を加えたインスタレーション作品を展示します。

■ 本展の見どころ

日本でも地域によってさまざまな粘土が採掘され、その土地ならではの焼き物が生まれるように、今回の制作では、異なる星の粘土がそれぞれ地球に落ちてきたら?という架空の設定のもと、インスタレーション作品を展示します。発泡ウレタンを使用する全長約6mの新作では、従来のFRP作品とは異なる想像上の焼き物としての表情や風合いをお愉しみいただけます。
クニトが、「趣味で陶芸教室に向かうかのように、人々は宇宙に上がって、粘土の塊を地球に落とすのです。地球には作品のような焼き物がたくさん転がっているのではないかと妄想を膨らまします」と語るように、誰もが宇宙に行けるようになった未来に、自分も焼き物をつくるとしたら?とぜひ、空想をめぐらせながらご鑑賞ください。

■ 出展作品(一部)
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■ プロフィール
クニト | KUNITO
1981年奈良県生まれ。2007年金沢美術工芸大学大学院美術工芸研究科修士課程工芸専攻陶磁コース修了、2018年同大学大学院美術工芸研究科博士後期課程美術研究領域彫刻分野修了。モノゴトの二面性をコンセプトに、樹脂や布、やきもの、木材、光、ガラス、その他のさまざまな素材を用いて、インスタレーションや彫刻などの幅広い表現で制作を行なう。
主な受賞歴に、「SICF24 EXHIBITION部門」グランプリ(2023)、「KAIKA TOKYO AWARD 2020」入選、「農村舞台アートプロジェクト2018」入選、「第13回岡本太郎現代芸術賞」入選(2010)など。最近の展覧会に、個展「紙の上の直線」(2024/金沢アートグミ/石川)、個展「ほどけた平行線とムカデ」(2022/ギャラリー58/東京)など。
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■ 開催概要

SICF24 EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展
クニト「焼成隕石」
会期:2024.5.10(fri)- 26(sun) 11:00-19:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場無料

【同時開催】SICF24 EXHIBITION部門 受賞者展

グランプリアーティスト展と同時開催でSICF24 EXHIBITION部門の受賞者10名が作品を展示します。

参加アーティスト:佐藤 はなえ(準グランプリ)、木村 華子(準グランプリ)、豊田 玉之介(金澤韻賞)、HIRATSUKA KNIT(廣川玉枝賞)、万 年(萬代基介賞)、彌永 ゆり子(山城大督賞)、大谷 陽一郎(スパイラル奨励賞)、河嶋 菜々(デイリーアート賞)、辻 一徹(オーディエンス賞 A日程)、NON SUGISAWA(オーディエンス賞 B日程)

会期:2024.5.10(fri)- 26(sun) 11:00-19:00 
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場無料

■ プロフィール
佐藤 はなえ | Hanae Sato 準グランプリ
1997年東京生まれ。東京藝術大学油画専攻卒業。2024年同大学院美術解剖学修了。
旅や被災を経て、超多様性かつ共通文脈が失われた都市で自然の一部として生きる中で、ヒトの身体・行為・文化風土から、時代や地域を超えた美的感覚を得たことをきっかけとして、その「同一性と差異」や「境界」などをテーマに作品を制作する。
主な受賞歴に、久米桂一郎賞受賞、学展大賞。主な展示に、個展「The beginning of 1mm tattoo」 (2024/Gallery Blue 3143/東京)など。
本展では、7万年以上前からカンヴァスとされる皮膚に着目して、千人以上の多国籍老若男女のヒトを媒体に制作した、ミニマムかつミニマルな絵《1mm tattoo》の写真を展示する.
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木村 華子 | Hanako Kimura 準グランプリ
2012年 同志社大学文学部美学芸術学科卒業。
「存在する/存在しない」「オリジナル/コピー」などの両極端と捉えられている事象の間に横たわるグレーゾーンに触れることをステートメントの中心に据え、時代性を内包したコンセプチュアルな作品を展開する。
主な受賞歴に、「UNKNOWN ASIA 2018」グランプリ、「第16回 写真1_WALL」審査員奨励賞受賞 菊地敦己氏選)(2017)など。主な展覧会に、個展「Reflective Save Points」(2023/PAGIC Gallery/東京)、個展「[ ] goes to Grey」(2021/KAGAN HOTEL/京都)など。
本展では、空(から)看板を撮影した《SIGNS FOR [ ]》の一連の作品を展示する。
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豊田 玉之介 | Tamanosuke Toyoda 金澤韻賞
2011年 信州大学教育学部芸術教育専攻美術教育分野卒業。
作品を制作し発表することを実験的なプロセスと捉え、文字が書かれていない吹き出しや、無表情で感情を読み取ることが難しい人物などの要素を組み合わせることで、鑑賞者の感性を刺激することを意図した作品を制作する。
主な受賞歴に、「SICF24 EXHIBITION部門」金澤韻賞(2023)、「トーキョーワンダーシード2018」入選、「群馬青年ビエンナーレ2017」入選、「Nagano Art File 2013」池田満寿夫美術館賞など。
本展では、カフェから望む空間に2点の大作の展示を行なう。
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HIRATSUKA KNIT 廣川玉枝賞
デザイン事務所ALNICO DESIGNのデザイナー平塚 大輔(描く人)と、その母・美代子(編む人)からなる親子あみぐるみ作家。おばあちゃんの手仕事を現代的なデザインに落とし込んだあみぐるみ作品を展開。
主な受賞歴に、「SICF24 EXHIBITION部門」廣川玉枝賞(2023)。主な展示に、「goen -new year market 2024」(2023/Showcase/東京)、「カタル×てしごと」(2023/伊勢丹新宿店/東京)、「TERRE POP-UP SHOP」(2022/Showcase/東京)など。
本展では、親子の遊びを通して、巨大な編みぐるみを制作する。
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万 年 | Wan Nian 萬代基介賞
2020年 多摩美術大学大学院プロダクトデザイン専攻卒業、2023年 東京藝術大学博士後期課程デザイン専攻在籍。
竹の持つしなやかで強度のある特性やその張力に着目し、それらを3Dプリント技術で制作したジョイントで結合し構造体として拡張していくことで、新しい造形や空間の可能性を追求している。
主な受賞歴に、「SICF24 EXHIBITION部門」 萬代基介賞(2023)、「Brillia Art Award 2023」大賞など。
本展では、V字型の作品を展示する。
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彌永 ゆり子 | Yuriko Iyanaga 山城大督賞
2018年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了。
幼少からPCで絵を描いていた経験を基に、デジタルの特性を活かした絵画表現に目を向ける。主な受賞歴に、「Kyoto Art for Tomorrow 2019 ―京都府新鋭選抜展―」読売新聞社賞(2019) 、「SICF24 EXHIBITION部門」 山城大督賞(2023)、第1回BUG Art Awardファイナリスト(2024)など。
近年は、モニターや日用品など大量生産の消耗品とデジタルで描かれた絵画を組み合わせたインスタレーションを展開、本展でも展示する。
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大谷 陽一郎 | Yoichiro Otani スパイラル奨励賞
1990年大阪府生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。在学中に清華大学(北京)交換留学。
漢字を素材とした視覚詩の制作を通して、見ることと読むことの繋がりや、形・音・意味の相互関係を探求する。主な受賞歴に、野村美術賞(2022)、「SICF24 EXHIBITION部門」スパイラル奨励賞(2023)。主な展覧会に「AmE」(2023/Bohemian’s Guild CAGE/東京)、「字影賦格」(2024/Uspace Gallery/台北)など。出版物に絵本『かんじるえ』(福音館書店)、作品集『雨』(リトルモア)がある。
本展では、会場であるスパイラルが、蘭学者、高野長英の隠れ家跡であった史実をもとに、著作『戊戌夢物語』のテキストを再構成した作品を展開する。
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河嶋 菜々 | Nana Kawashima デイリーアート賞
1997年おとめ座生まれ。2022年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻修了。現在京都を中心に活動中。
日本画材を用いて、庭の風景や草花たちの繋がりを描く。近年は、それらと星や宇宙の繋がりとの関連を見出し、絵画を制作する。
主な受賞歴に、2023年「第一回ヨロコビto公募展 “ライフアートアワード”」大賞、2022年「SICF24 EXHIBITION部門」デイリーアート賞、「京都市立芸術大学作品展」同窓会賞など。主な展覧会に、日本画新展(2024/美術館「えき」KYOTO/京都)、個展「きらきらひかる」(2023/ギャラリーモーニング/京都)。
本展では、2連星を蝶々に見立てた絵画を展示する。
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辻 一徹 | Ittetsu Tsuji オーディエンス賞 A日程
2021年東京藝術大学デザイン科入学、現在在学中。
素材が内包する生々しい感覚を探りながら、目の前にものが存在しているということの尊さや感動を主題として作品を制作する。
主な受賞歴に「COMITÉ COLBERT AWARD2022」グランプリ受賞など。
主な展覧会に、グループ展「クラムボンっておぼえてる?」(2023-2024/BAG-Brillia Art Gallery/東京)、「まばたきの透き間」(2024/クマ財団ギャラリー/東京)など。
本展では、立体作品2点に加え、新作を含む平面作品を数点展示する。
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NON SUGISAWA オーディエンス賞 B日程
1995年神奈川県生まれ。2021年 桑沢デザイン研究所昼間部ビジュアルデザイン科卒業。日常に潜む密かな気づきをテーマに見立て作品を制作している。
主な受賞歴に、2023年「SICF24 EXHIBITION部門」オーディエンス賞B日程。
主な活動に、2019年 BAUHAUS 100周年記念イベント : ドイツ ベルリン(作品制作・展示/パフォーマンス)などがある。
本展では、スパイラルのエスプラナード(大階段)の踊り場をオフィススペースに見立て、PCや乗り物、文具など、普段は目立たないモノに焦点を当てた作品を発表する。
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お問い合わせ 03-3498-1171(スパイラル代表)
主催 株式会社ワコールアートセンター
企画制作 スパイラル
協力 株式会社中川ケミカル
グラフィックデザイン  WALTZ. LLC

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