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スパイラルがDOCOMOMO Japan
「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選ばれました!
この度スパイラルの建築が、その文化的価値と歴史的意義を認められ、 DOCOMOMO Japan 「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選定されました。
DOCOMOMO(ドコモモ)は、モダン・ムーブメント(近代運動)の推進に寄与した建築の歴史的、文化的重要性を訴え、その記録と現存建物の保存に関する活動を展開する国際的学術組織で、DOCOMOMO Japan はこの日本支部組織に当たります。
今回の選定に際し、スパイラルは①技術性(アルミパネルやガラスなどの建築素材と構造、手の込んだディテール)②社会性(ワコールが企業メセナの先駆けとして芸術活動に参入し現在でも継続活動している点、人々に楽しさと安らぎを与える空間であること)③文化・審美性(外観のデザインと豊かな表情、ファッショナブルな街路に面しながら周辺と親しみ、また抜きん出た存在感があること)④歴史的背景(幕張メッセや東京体育館などの大型物件につながるターニングポイントであり、槇文彦氏の1980年代の代表作であること)などが評価のポイントとなりました。
「日本におけるモダン・ムーブメントの建築290選」に選定されたことは大変な栄誉であり、この責任を果たすべく、今後もスパイラルは、価値ある歴史的建築を大切にして活動を続けてまいります。
<スパイラルの建築について>
スパイラルは、日常にゆとりのある時間と空間を提供するため、フレキシブルな用途に対応できるよう設計されています。
建築の設計は、建築家・槇文彦氏が手がけ、モダンデザインの原点を象徴する正方形、円、正三角形、円錐など「純粋幾何学体」を基本要素とし、外観には数多くの部分的形体を積み上げていくというコラージュ的手法を採用。
また建築素材にはアルミパネルやガラス、金属的なタイルを多用し、現代的でシャープな雰囲気を醸し出しています。内部は、エントランスホールから2階へと続くエスプラナード(大階段)とスパイラル(螺旋)状にスロープが設置された円筒形のアトリウム(吹抜)が設けられ、ゆったりとした贅沢なパブリックスペースが広がっています。
訪れた人々は、館内で開催される催しに触れながら、自由に回遊して楽しむことができ、都市生活者にとっての安らぎの空間を創り出しています。
なお、スパイラルは1987年、アメリカ建築家協会の選定する、その年の世界で最も優れたアルミニウムを使った建築に与えられる「R.S.レイノルズ賞」を受賞。
また、2012年には、25年以上にわたって長く地域の環境に貢献し、風雪に耐えて美しく維持され、社会に対して建築の意義を語りかけてきた建築物を表彰する「JIA25年賞(日本建築家協会)」を受賞しました。
<槇文彦氏に関する過去のインタビューや寄稿、講演等のリンク>
2015年「建築家とは何者か」
槇総合計画事務所創立50周年×スパイラル開館30周年記念シンポジウム(動画)
【追悼】 槇文彦様
スパイラルを設計いただきました建築家の槇文彦さまは2024年6月6日にご逝去されました。生前のご功績に、深い感謝の意と尊敬の念をもって、心よりご冥福をお祈りいたします。