SPIRAL

Where Creativity Comes to Life

SPIRAL Creators File – とけてかたまる記憶 –

Spiral Garden

福岡

2025.08.29(Fri)-2025.09.28(Sun)

#Lifestyle#Exhibition#Art#Event

Art & Exhibition

Index

スパイラルが主催する公募型アートフェスティバル「SICF」の出展作家を中心に、ご紹介するシリーズ「SPIRAL Creators File」。今回は、「記憶」や「記録」をテーマに異なる素材で表現を行う、4名のアーティストをご紹介いたします。

 

山本アンディ彩果は、認知症を患う祖父と二人で同居したことをきっかけに、「記憶の在り方」について考える作品を制作。祖父や本を砂糖漬けにして擬似的に保存することで浮かび上がる
「保存に対する執着」を、インスタレーション、立体、映像などを用いた多層的な技法で表現します。(SICF23 EXHIBITION部門 準グランプリ)

 

福留春菜は、SNS上にあふれるきらきらとした幸せそうな写真。「その記録は果たして本当なのか?」とどこかで疑いをもつどろどろとした気持ちを、陶器に落とし込みます。視覚情報で溢れ、消えてゆく時代の中で、一度焼いたらもとには戻らない陶という素材と技法を通して、時間と感情の痕跡を物質として刻み込んでいきます。(SICF25 EXHIBITION部門 デイリーアート賞)

 

harunasugieは、自身の体験に基づき、ルッキズムやアイデンティティといった「身体や心の問題」に向き合います。
脂肪や皮膚をモチーフにした有機的なガラスのオブジェ(ジュエリー)は、身体そのものを記録媒体として捉えるような、繊細で強い視座を持ちます。(SICF22 MARKET部門 川渕恵理子賞・ベストセールス賞)

 

萩原睦は、古くから人類が扱ってきたガラスという素材を通して、「記憶を留める」という行為を探求しています。移り変わる空の色や、海の色など、記憶の中にある地球の光景をもとに、色や光の断片をガラスで切り取りながら可視化します。写真と言葉を用いた表現も行う彼女の作品は、見る者の中に眠る記憶を優しく呼び起こします。(SICF22 MARKET部門 出展)

 

記憶にははっきりとした形はありませんが、アーティストの視点を通すことでそれらが目に見えてくることがあります。静かでささやかに見えてくる記憶の断片を、是非ご覧ください。

 

SICF(スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)は、スパイラルが主催する若手作家の発掘・育成・支援を目的とした公募展形式のアートフェスティバルです。

7月22日-8月28日の期間「Park of Memories」展にてご出展の三上めるも(SICF26 EXHIBITION 山田紗子賞受賞)の作品のみ、ご好評につき9月28日(日)まで延長して展示をいたします。合わせてご覧ください。

開催概要

SPIRAL Creators File - とけてかたまる記憶 –

会期

2025年8月29日(金)ー9月28日(日)

11:00 – 20:00

土日祝のみ10:00 – 20:00

9.28(最終日)は展示替えの為18:00まで

会場

Spiral Garden 福岡ワンビル(ONE FUKUOKA BLDG. 3F)

萩原睦

1998年 神奈川県生まれ
2020年 女子美術大学工芸専攻ガラスコース卒業
2021年 「SICF22 MARKET部門」出展
2022年 東京藝術大学大学院ガラス造形研究室 修士課程修了

現在、同大学院博士後期課程在籍 / 硝子企画舎所属
「地球の記憶を留めるガラス」
キルンワーク技法を用い、旅先や日常の中で巡り合った地球の光景をガラスの器で表現している。
写真や言葉を用いた表現も行う。

harunasugie

1997年 愛知県生まれ
2022年 武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科ガラス専攻卒業
2021年 「SICF22 MARKET部門」川渕恵理子賞・ベストセールス賞受賞
2024年 東京藝術大学大学院ガラス造形研究室修士課程修了

自分自身と向き合う中で生まれた考えをテーマに、ガラスや鏡などの素材を使って表現している。
主に、バーナーの炎によってガラスを熔融し成形するバーナーワークという技法で、一点一点手作業で制作している。

福留春菜

1995年 鹿児島県生まれ
2020年 鹿児島大学教育学研究科芸術・スポーツ学コース工芸領域修了
2024年 「SICF25 EXHIBITION部門」デイリーアート賞受賞

陶芸における「焼き付ける」という行為を表現の主軸にしており、現代の記録媒体とヒトの刹那的な感情の対比をテーマに制作している。主な受賞歴に、「different 京町堀アートフェア」佐藤由基孝賞(2024)、「鹿児島陶芸展」県知事賞(2018)など。

山本アンディ彩果

1992年生まれ
2022年「SICF23 EXHIBITION部門」準グランプリ受賞

認知症を患う祖父と二人で同居したことをきっかけに、本を砂糖漬けにして封じ込める作品『エターナル・ストーリー』を制作し作家として活動を始める。

「記憶の在り方」を主題とし、対象を砂糖漬けにして擬似的に保存していくプロセスを「保存に対する執着」のメタファーととらえ、主な制作手法としている。発表形態はインスタレーション、立体、映像、写真、パフォーマンスなど多岐にわたる。

社会の中で自身の作品がヴィジュアルを持った「思考の標本」として機能することを目標に活動を続けている。

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