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Espace de Réflexion
ージャン=リュック・ヴィルムートが伝えつづけた愛と学びー
Index


フランスを拠点に世界で活躍したアーティスト、ジャン=リュック・ヴィルムート(1952-2015)は、折りに触れて人々に問いかけました。人と人をつなぎ、人と環境をつなぎ、より良い世界を共につくる。その手法として、彼は多くの「出会いの場」を生み出しました。世界を愛し、人を育てる、その温かい眼差しは、教育の場でも実践され、エコール・デ・ボザール(パリ)などで多くの若い才能を輩出しています。
本展では、過去作品の展示に加え、エコール・デ・ボザールの教員・学生によるパフォーマンスやワークショップ、多彩なゲストによるレクチャーなどを実施。<目で知り><耳で学び><参加を通じて深め><対話によって発展させる>ことを通じ、未来の才能へとバトンをつないでいきます。
ジャン=リュック・ヴィルムートから広がる、豊かな気づきと出会いの場「Espace de réflexion」に是非ご来場ください。
会場表記のないイベントは全てスパイラルガーデン(スパイラル1F)にて開催いたします。
開催概要
Espace de réflexion
ージャン=リュック・ヴィルムートが伝えつづけた愛と学びー
会期
2019.8.17(sat) ー 8.25(sun) 11:00 ー 20:00
会場
Spiral Garden(Spiral 1F)
入場料
無料
主催
株式会社ワコールアートセンター
企画制作
スパイラル
特別協力
エコール・デ・ボザール・ド・パリ
協力
かんらん舎、SIA 事務局(有吉修史、加納喜代美)、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、武松幸治+E.P.A
後援
レザミ・ド・レコル・デ・ボザール・ド・パリ
Special Thanks
リザ・ワイト、レイラ・ワイト
トークプログラム <LISTEN>


スペシャルトーク
ゲスト:川俣正(アーティスト)
8月21日(水)19:30ー20:30 / 参加無料・予約不要(会場に直接ご来場ください。)
ジャン=リュック・ヴィルムートの友人であり、エコール・デ・ボザール(パリ)では、教員として同僚でもあったアーティスト・川俣正。ジャン=リュック・ヴィルムートとの関わりや思い出から、若きアーティストを育てる試みなどについて語ります。


スペシャルトーク
ゲスト:安藤洋子(コンテンポラリーダンサー/振付家)
8月23日(金)19:30 ー 20:30 / 参加無料・予約不要(会場に直接ご来場ください。)
元フォーサイスカンパニーの中心メンバーとして活躍するなど世界を舞台に活動を行うコンテンポラリーダンサー。
世界を目指す若手ダンサーが日本のみならず世界で活躍するために必要なこと、また、安藤自身が表現者として、どのような思いで活動してきたかを自身の経験から語ります。


日本の美術教育はオワコンなのか!?次代を攻める手法とは
登壇者:椿昇(アーティスト) 、Clélia ZERNIK(エコール・デ・ボザール教授)、松井えり菜(アーティスト)
ファシリテーター:加藤育子(スパイラル キュレーター)
8月24日(土)14:00 ー 16:00 / 参加無料・予約不要(会場に直接ご来場ください。)
明治時代以降、日本では様々な手法で「美術」を学び、発展させてきましたが、思想や表現、アートマーケットでの活躍など、強化しなければならない課題を現在も美術大学は抱えています。日本の美術教育の在り方をアーティストやキュレーター、現職の美術大学教員らと共に議論します。


世界から学ぶ!若手アーティストを支援する仕組みと美術教育
8月25日(日)/ 参加無料・予約不要(会場に直接ご来場ください。)
イスラエル、オランダ、スイス、フィンランド、フランスの各国大使館や文化機関の担当官が、自国における若手アーティストを育成する仕組みや文化政策、美術教育についてプレゼンテーションを行ないます。
13:00- イスラエル / Israel
Speaker: アリエ・ロゼン(イスラエル大使館 文化・科学技術担当)
Arieh Rosen(Culture and Science Affairs Attaché, Embassy of Israel, Tokyo)
14:00- スイス / Switzerland
Speaker: ジョナス・プルブァ(在日スイス大使館 文化・広報部長)
Jonas Pulver(Head of Culture and Public Affairs, Embassy of Switzerland in Japan)
15:00- フィンランド / Finland
Speaker: アンナ=マリア・ウィルヤネン(フィンランドセンター所長)
Anna-Maria Wiljanen(Ph. D., Director, The Finnish Institute in Japan)
16:00- フランス / France
Speaker: サンソン・シルヴァン(フランス大使館 文化担当官、アンスティチュ・フランセ日本 本部)
Samson SYLVAIN (Attaché culturel, Responsable du pôle artistique, Direction générale de l’Institut français du Japon)
17:00- オランダ / Holland
Speaker: バス・ヴァルクス(オランダ王国大使館 報道・文化部)
Bas Valckx(Press & Cultural Officer, Embassy of the kingdom of the Netherlands)
Spiral Schole for Kids アートの視点から考える「こどもとまなび」
登壇者:井尻貴子(こども哲学おとな哲学アーダコーダ理事)
稲庭彩和子(東京都美術館学芸員 アート・コミュニケーション係長)
堀江由香里(社会起業家)
力石咲(アーティスト)
8月17日(土)15:00 ー 16:30
子どもの学びとアートをテーマに、次世代の美術教育を考えます。
ワークショップ プログラム<TELL>


What do you think?
8月18日(日)17:00 ー 19:00
ジャン=リュック・ヴィルムートが常に生徒に問うていた「あなたはどう思う?」という質問をテーマにした参加型のイベントです。


Coffee Time
8月17日(土)、18日(日)、25日(日) 11:00 ー 13:00(受付開始11:00)
コーヒーを飲みながら、アートプロジェクト「Caffenol」の方法について話し合い、参加者と会場内で撮影を行います。その写真をコーヒーを使い現像し、プリントした写真を後日「1時間だけの個展」で展示します。
参加無料
定員:各回4名


Atelier
8月20日(火)、22日(木)、23日(金)19:00 ー 20:00
ボザールのアトリエの雰囲気の中、ボザールの学生と一緒にあなたの作品のアイディアを交換します。
参加無料・要メール予約(下記のお申し込み方法をご確認ください。)
定員:各回5-10名


Convergent Paths
8月21日(水)15:00 ー 16:00/24日(土)16:00 ー 17:00
各参加者は、どういったルートを通ってスパイラルガーデンに辿り着いたかをパフォーマーに説明します。パフォーマーはグーグルマップでその道のりを描き、地図から道のりの線を抽出して、ポストカードに印刷します。最後に参加者全員のスパイラルまでの道のりの線を集合させ、デジタルポストカードを参加者にメールで送ります。
WORKSHOP Spiral Schole for Kids


こども哲学対話
8月17日(土)13:00 ー14:00
正解のない問いについてグループで考える哲学対話を社会の中で実践的に活用するためのスキルやプログラムを提供する NPO 法人アーダコーダのファシリテーションを通じ、「学び」をテーマに子どもたちと対話します。


声が溶け合う瞬間に 子ども合唱ワークショップ
8月18日(日)(ワークショップ:11:00ー14:30 / 本番時間:13:45 ー 14:00)
音楽家・CANTUS(カントゥス)の太田美帆と一緒に子どもたちが合唱をするワークショップを実施、13:45 – 14:00に会場内でお披露目しますので、みなさまお誘い合わせの上、ご観覧ください。


Artist Description
8月19日(月)、23日(金)15:00 − 16:00
アーティストが台座に立ち、鑑賞者からの反応やコメントを求めます。


Hammer in Space
8月18日(日)15:00 − 16:00、20日(火)、22日(木)13:00 − 14:00
誰かが事務作業をしている机。その仕事は、、、 ジャン=リュック・ヴィルムートのハンマー(金槌)を宇宙空間に送り届けるためのエージェントなのです。


Helium Balloon
8月17日(土)、18日(日)12:00 − 20:00
風船によって空中に浮かぶゴミでできたモビール。ジャン=リュック・ヴィルムートの教えによって制作された、私たちの社会が生み出した多くのゴミを前に、少しでも良心を芽生えさせるインスタレーションです。


Cleaning Tokyo
8月19日(月)、23日(金)11:00 − 12:00
道に落ちた葉を建物の中に入れて掃除するジャン=リュック・ヴィルムートのパフォーマンスを東京の街で学生がおこないます。


AMBIANCE JUNGLE
8月18日(日) 19:00 – 20:00
鑑賞者は、まるでジャングルのようなトリピカルでスモーキーな雰囲気の中を歩き回ります。パフォーマーは、植物の横で動かずじっとして会場の一部と化します。
PERFORMANCE COLLECTIVE YOURS
YOURSは、ジャン=リュック・ヴィルムートの教え子によるフランスのアーティスト集団です。
Surprise Short Performances
《Wolf Pack》8月20日(火)17:30 − 17:45
《The tree》8月22日(木)17:30 − 17:45
《A gift》8月24日(土)17:30 − 17:45


I LOVE YOU
8月17日(土)18:00頃
人々が交流することを目的としていたジャン=リュック・ヴィルムートの意思を引き継ぎ、パフォーマンス「I love you」をYOURSが実施します。6名のメンバーが大きなハートのバルーンを持ち、 飯田橋のアンスティチュ・フランセからスパイラルまで練り歩き、東京の日常にユーモアを浸透させます。
このパフォーマンスおよび映像制作には、下記の方々の協力を頂きました。
在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、レザミ・ド・レコル・デ・ボザール・ド・パリ、マリー・クリスティーヌ・ガビヨー・ウォルフ、イザベル・ブルジョワ、ブリュノ・リベロン・モンマルタン、ギャラリー・ヴォセン
PERFORMANCE&EXHIBITION 1時間だけの個展
公募で集まった若手アーティスト20組(予定)が、絵画、パフォーマンス、立体など多岐にわたるそれぞれの表現を1時間ずつスパイラルのアトリウムで発表する個展を開催します。本企画は、ジャン=リュック・ヴィルムートの教え子で、アーティストである有吉修史考案によるプログラムです。
開催日
8月19日(月)− 8月23日(金)11:00 − 20:00随時
PERFORMANCE ノートルダム by 有吉修史
パリにあるノートルダム寺院と東京のスパイラル、宗教と文化、2つのパワースポットの類似点をテーマとしたパフォーマンスを行ないます。
開催日時
8月24日(土)11:00− 13:00
会場
スパイラルガーデン(スパイラル 1F)
参加無料・予約不要
<Kickoff Event “OMIAI”>
2019年8月17日 (土) 18:00− 20:00
本展に出展するアーティスト、関係者、エコール・デ・ボザール(パリ)の学生ならびにジャン=リュック・ヴィルムートにゆかりの人々をお招きし、交流会を実施します。是非お気軽にご参加ください。
展覧会へ向けてのメッセージ
JLVと共に
岡田勉(スパイラル シニアキュレーター)
2015年冬、世界が美しく彩られる頃、彼は何の前触れもなく旅立ちました。人と人、モノとモノの関係性について多様な様式で表現してきた彼がしきりに口にしていたのは、人とアートの関係、その教育についてでした。このことは彼に寄り添う人全員が共有する事項でした。哲学者、教育者、キュレーター、アーティスト、恋する人々。
才能のある若者に磨きをかけ、送り出す装置。国境や経済に左右されず、公平で自由な場。そんな「学校」のようなモノ、コトが必要なのではないか。こんな彼の問いを、彼に寄り添ってきた人々と展覧会の形で試行しよう考えました。
Watch your step、彼の言葉です。
ジャン=リュック・ヴィルムート 円と螺旋 ― サークルとスパイラル ―
Clélia ZERNIK(エコール・デ・ボザール教授)
2014年、道後オンセナートの企画で「道後やや」ホテルの一室の空間を手掛けることになったジャン=リュック・ヴィルムートは、油性のフェルトペンを手に取り、円形の壁掛け時計から空間全体に広がっていく同心円を描きました。『Time Room』と名付けられたインスタレーションです。
ジャン=リュック・ヴィルムートには多くの円が存在します。円は彼のモチーフであり(例えば『Pourquoi le monde est-il devenu rond ? (どうして世界は丸くなったの?)』のインスタレーション等)、彼の手法でもあります。円は単純なだけではなく効果的なフォルムであり、だからこそ彼は円に惹かれたのです。 円は最短の外周で最大の面積を示すもの ― ジャン=リュック・ヴィルムート式にいえばそれは「単純かつ効果的」で、彼自身を導く指針でもありました。しかも、円はある行程を描くのです。自己から出発し、他所や彼方を経て自己へとたどり着くその行程を。出生の地モゼルからアマゾン、日本あるいは台湾へ……、自らを導くこうした道のりをジャン=リュック・ヴィルムートは愛しました。大きな迂回は、けれど彼を常に己へと連れ戻します。円は出発点と到達点とが一致する図形なのです。こうした完全さ、自己への誠実さ、妥協のなさもまたジャン=リュック・ヴィルムートの特徴と言えるでしょう。円のように単純で純粋な過激さ。彼は遠くへ、常にさらに遠くへと向かいます(『You’ve gone too far』アトリエ・ヴィルムート)。けれど決して道に迷うことなく、他者との出会いの後、己へと帰り着くのです。ジャン=リュック・ヴィルムート作品は他者と出会うために発ち、彼らと交換し、その身に自らを置き換えます(『My Dreamhouse – Myself as…』)。出発点と到着点は同じですが、そこに小さなずれ、小さな変化がみられるのは交換を経たからです。衣服の交換、内側と外側の交換。円は、逆転という実験に、そして思索する空間になっていきます。 こうした他者への好奇心と愛が、ジャン=リュック・ヴィルムートの円を、利他的な身振り、交換の身振り、抱擁の身振りにしているのです。自己から他者を経て自己に達することで、様々な規模の、ある程度大きな円が生まれます ― You(あなた)とMe(わたし)の間、Nature(自然)とMe(わたし)の間、木と自分の間、日本と自分の間に。そしてそれは、実際には小さな環境、小さなエコシステムの、親しみ深い円でもあるのです。世界をより住みやすく、人間的にしようとの思いでアーティストが設定した小さなエコシステムです。こうしてジャン=リュック・ヴィルムートは、人間関係の構築者ならではの手法で、あるいは人間的な愛情のセレモニーの達人として、言葉の装置、交換の装置を生み出したのです。 ジャン=リュック・ヴィルムートのスパイラルガーデンでの初めての個展が『Bar Séduire (魅惑のバー)』だったことも意外ではありません。同展では、自己への内観として他者との出会いが演出されました。他者の経験が引き起こす微妙なずれとともに自己に帰る、それは厳密に言えば螺旋(=スパイラル)なのです。地平線のような他者とともに、ジャン=リュック・ヴィルムートは独自の思索空間を創出しました。パリのエコール・デ・ボザールの自身のアトリエがそうであったように、世界や動物、未来、自然、そして不可視なもの等について、絶えず新たな問いかけが円(=サークル)となっていきます。そして東京のスパイラルからパリのボザールへと、私たちは今回の展覧会のなかに、ささやくような、けれど執拗で、絶えることのなかった彼の思索を再び響かせたいと思います。
What do you think ? あなたはどう思う?
ジャン=リュック・ヴィルムート / Jean-Luc Vilmouth
Jean-Luc Vilmouth (1952-2015) フランス・クレウツヴァルド生まれ 元エコール・デ・ボザール教授 ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(ロンドン)を卒業後、80年代からヴェネツィア・ビエンナーレ(1982)やドク メンタ7(1982)など、数多くの国際展に参加。次第に公共空間や、作品の介入により変化する人と事物との関係、環 境の変容に注目した作品を数多く制作するようになり、その表現方法はインスタレーションやパフォーマンス、映像作 品など多岐にわたる。ヴィラ九条山(京都)でのアーティスト・イン・レジデンス(1997)、1997年に個展「魅惑の バー」(スパイラル)の開催や、近年は東日本大震災後の宮城県での作品制作など、日本国内での活動も精力的に展開 した。
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