SPIRAL

Where Creativity Comes to Life

エヴェリナ・スコヴロンスカ展

《逸文 itsubun −Fragments of Beauty》

Entrance

青山

2020.07.20(Mon)-2020.08.10(Mon)

#Exhibition#Art#Event

Art & Exhibition

Index

ポーランド出身のアーティスト、エヴェリナ・スコヴロンスカ(Ewelina Skowronska)による作品の展示販売をいたします。今回展示する作品は、スコヴロンスカが古代ギリシアの詩人、サッポーの詩の断片からインスピレーションを得て、ジェンダー、アイデンティティ、セクシュアリティ、身体に関連する問題と向き合い、本年長崎県南島原市のアートビレッジ・シラキノで滞在制作をした新作です。

エヴェリナ・スコヴロンスカの作品は、「どのような肌の色、身体の大きさ、文化的背景であれ、女性は等しく美しく、強い。身体という枠を超えて、気持ちを伝えてほしい。十分な自信をもって世界に出て欲しい。」というメッセージが込められています。そして、彼女の作品には、様々な色や形の身体の一部がモチーフとして登場します。力強いメッセージを込めながらも、軽やかで柔らかな色使い、大胆な画面の構成は、彼女の作品の魅力です。身体性と官能性の中にある身体を探求することで、具象と抽象の境界線上にあるイメージを制作しています。

作品のインスピレーションとなった、サッポーは、レスボス島で紀元前600年頃に女性の美しさについて多くの詩をのこしていました。多くの詩は失われ、現在は断片的な詩の一部が残っています。そこには、女性的な美しさ、欲望、男性的な戦いの世界を拒否することを描いた、官能的で、優しく、激しい詩が描かれていました。

時代を越えて、共感できるサッポーの詩を受け、スコヴロンスカの作品に込めたメッセージは、人々にどのように映るのか。未来が不透明な現代、臆することなく、自信をもって生きるエネルギーとなることを、願っています。

エヴェリナ・スコヴロンスカから本展に向けたメッセージ

逸文(いつぶん):世間に知られていない、部分的にしか伝えられていない文書。失われもはや伝達することができない文。または、優れた見事な文章。

自己とは、精神や心、意識と同じくらい不可解な概念ですが、私たちはみな、私たちそれぞれに特有の自己があると思っています。しかし、それは本当にそれぞれに特有の自己なのでしょうか。作為的な選択肢を通じて、私たちの生活の中で築き上げられたものではないでしょうか。あるいは、自分が何者であるかを決める要素が他にもあるかもしれません。

紀元前600年頃にレスボス島に存在した最古かつ最も有名な古代ギリシャの女性詩人、サッポ ーが書いた詩の断片を読むと、私は自己という考えに何が欠けていて、何が存在するのか考え させられます。サッポーが書いた約10,000編の詩のうち完全な形で現存するのは2編のみで、 その他の現存するものは文章の断片や切れ端、解明されていないもの、欠落部分ばかりですが 、これらが新たな個人的解釈を生み出す機会を与えてくれます。

今回展示する版画シリーズ“if not, winter”は、そのほとんどが、私が2020年初旬に長崎県南島原 市のアートビレッジ・シラキノにレジデンスアーティストとして滞在したときに制作した新し い作品です。女性の美しさ、願望を表現し、男性による戦争の世界を拒絶するサッポーの詩の 断片からインスパイアされたこの一連の作品は、ジェンダー、アイデンティティ、セクシャリティに関連する問題を探求しています。個人的な経験から、私は肉体の中に生きているということと複雑なアイデンティティを形成するジェンダーとセクシャリティの交わり方に興味があります。

サッポーの詩の断片から多くのことが想像できます。これらの断片から、言語は共有でき、かつ個人的なものとして考えることができます。何世紀も前に話されていた言葉は現代では何を意味するのでしょうか、私たちが生きている不確かな世界において、その言葉たちは私たちの自己の中でどのように共鳴するのでしょうか。

エヴェリナ・スコヴロンスカ

開催概要

エヴェリナ・スコヴロンスカ展
逸文 itsubun −Fragments of Beauty

会期

2020.7.20(月) ー 8.10(月・祝) 11:00ー 19:00

会場

Entrance(Spiral 1F)

※現在、MINA-TOより名称変更しました。

主催

株式会社ワコールアートセンター

協力

Adam Mickiewicz Institute、ポーランド広報文化センター

お問い合わせ先

03-3498-4015(スパイラル)

エヴェリナ・スコヴロンスカ / Ewelina Skowronska

1980年ポーランド生まれ。広告業界でキャリアを積んだ後、2013年よりアーティストに転身。2015年ロンドン芸術大学にてビジュアルアーツ(視覚芸術)専攻課程修了。現在は東京を拠点に、イギリス、アメリカ、カナダ、アイルランド、日本などで個展やグループ展に参加、国際的に活動している。 2017年ST Bridge FoundationによるPrint Prize受賞賞。版画作品は、Victoria and Albert Museum(イギリス) 、 Guanlan Printmaking Museum(中国)などにコレクションされている。Royal Academy Summer Show 2017、Ashurst Emerging Artist Prize 2018 選出。 Womenʼs Studio Workshop(2017年、ニューヨーク)、Kala Art Institute(2018年 サンフランシスコ)、Banff Center for Arts and Creativity(2019年 バンフ、カナダ) 、南島原市アートビレッジ・シラキノ(2020年 長崎県南島原市)など数々のレジデンスプログラムにも参加している。

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