SPIRAL

Where Creativity Comes to Life

無言に耳をすますパフォーマンスフェスティバル 『ZIPPED』

ZIPPED Performing Arts Festival -Performances leaving you speechless-

Art & Exhibition

Index

イラスト:ヤギワタル

⼝という⼝が覆われて、舞台の上のおしゃべりも、少し、しづらくなった昨今。ならいっそ、おしゃべりを⽌めてみたら、私たちには何が残るのでしょうか。

『ZIPPED』では、パフォーミングアーツの表現を⼤きく占めてきた「⾔葉」をあえて制限。新進気鋭のパフォーマーたちが、様々な「無⾔」を操る作品を上演します。

ここからは少しの間、⼝にチャックを。
豊かな無⾔に、⽿をすませてみてください。
『ZIPPED』、静かに、静かに、はじまります ──。

 

「無言に耳をすますパフォーマンスフェスティバル『ZIPPED(ジップド)』」は、これからの舞台芸術の可能性を模索する試みのひとつとしてスパイラルが挑戦するプログラム。2021年2月7日(日)にスパイラルホールからライブ配信を行い、その後オンデマンドにて有料配信しております。

現在、私たちを取り巻く環境は、新型コロナウイルスによるさまざまな制限、消費資本主義による過剰なまでの経済活動などの社会状況によって常にストレスにさらされています。一方で、言語の違いや物理的な距離を越えて交流ができるいま、コミュニケーションの本質を捉え直し、新たな可能性を見出す機会であるとも言えます。本企画はこうした状況を踏まえ、新たなパフォーミングアーツのかたちとして、マイム、演劇、ダンス、美術など多様なフィールドで活躍する気鋭のアーティストによる、「無言」を多角的に捉えた8作品をご紹介します。
静寂が広がるパフォーマンスを通じて、五感を研ぎ澄まし、身体が内包する豊かな「無言」の言語に耳を澄ませてみてください。

開催概要

無言に耳をすますパフォーマンスフェスティバル
ZIPPED

ZIPPED Performing Arts Festival
Performances leaving you speechless

開催日時

2021年2月7日(日)15:00〜
*約180分程度の上演を予定しています。

会場

スパイラルホール(無観客)

開催形式

ライブ配信/オンデマンド配信

視聴料

ライブ配信:500円(税込)
オンデマンド配信:800円(税込)

出演

荒悠平と大石麻央/石川佳奈/久保田舞/ゼロコ/冨士山アネット/村社祐太朗/百瀬文/渡辺はるか(OrganWorks)

文化庁委託事業「文化芸術収益力強化事業」

主催

文化庁、株式会社ワコールアートセンター

企画制作

スパイラル

フェスティバルディレクター

秋山きらら(スパイラルプロデュース部)

舞台監督

杣谷昌洋、川上大二郎

照明

竹内右史(株式会社ストーリー・レーン)

音響

浮岳厚(株式会社ストーリー・レーン)

イラスト

ヤギワタル

グラフィックデザイン

石神正人

記録撮影

加藤甫

(写真上/Photo: 黑田菜月)

荒悠平と大石麻央(彫刻とダンス)

荒悠平:ダンサー
これまでに「まことクラヴ」「Co.山田うん」「カンパニーデラシネラ」等のダンスカンパニーに所属/出演。自宅で行う少人数向けダンス公演《訪問》やマレーシアでのレジデンス制作などユニークなソロ活動も幅広く展開。
フレットレスベース奏者・織原良次との銭湯即興デュオ《floor girl》や演劇活動《コココーララボ》など、継続的なユニットをいくつか持つ。スガダイロー、芳垣安洋、小金沢健人、阿部海太など音楽家、美術家との共演も多数。

大石麻央:彫刻家
人は人を好きになるときにどこで判断するのか。ということをテーマに、羊毛を使ったニードルフェルトという手法で、マスクをかぶった人たちを作っている。
中之条ビエンナーレや六甲ミーツ・アートなどグループ展に数多く参加。ギャラリーや美術館だけでなく、動物園や電車内、古民家など様々な場所で展示を行う。第91回装苑賞で自身の作品のコンセプトを洋服の形にし、ファイナリストとなる。羊毛を使ったグッズ作りや、ワークショップも行っている。

石川佳奈(現代アート)

<大人数>対<個人>での関わり合いと<一対一>でのそれとの差に関心があり、個人がどのように周囲と接点を持ち、その接地面がどう伸縮するのかについて制作を通して探っている。主にインタビューやゲリラパフォーマンスの手法を用い、2018年には情緒的なことまでググっている自分への違和感を起点に、山手線を一周しながら街の人に話しかけた《どう生きたら良いのか 分からない》でSICF19グランプリ受賞。

(Photo: Takashi Kanai)

久保田舞(コンテンポラリーダンス)

1995年生まれ。4歳よりクラシックバレエを始め埼玉県立芸術総合高校にて舞台芸術を学んだのち大東文化大学スポーツ科学科に入学、モダンダンス部に所属した。卒業後は国内外ダンスフェスティバルでの作品発表を積極的に行いシンガポールや韓国にも招聘される。作品制作に加え在住する川越市で街や人の流れを捉え、<滞在>することや劇場以外の場でのパフォーマンスを視野に入れ様々な角度から空間に身体を置くリサーチに力を入れている。

ゼロコ(マイム)

角谷将視(かどやまさし・三重出身)と濱口啓介(はまぐちけいすけ・徳島出身)によるフィジカルシアターデュオ。パントマイムや、道化師の手法であるクラウニングをベースに、緻密さと即興性を持ち合わせた遊び心あるパフォーマンスを発表している。
発表の場は劇場のみならず、カフェや電車内、古民家、ストリートなど多岐に及ぶ。2017年からは、海外での演劇祭やストリートパフォーマンスフェスティバルへも招聘され、活動を広げている。2019年には世界最大の芸術祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」にてAsian Arts Awards 2019のBest Comedy賞を受賞した。

(Photo: Marc Doradzillo)

冨士山アネット(パフォーマンス)

2003年冨士山アネット(フジヤマアネット)結成。異ジャンルとのコラボレーションを通じ本質を見詰め直す「疑・ジャンル」をテーマに活動。
近年は2016年「Attack On Dance」にて北京・サンパウロ・横浜と各地で滞在制作作品発表の他、2018年「ENIAC」(ジャカルタ/Djakarta Teater Platform招聘)、2019年臺北國際藝術村レジデンス採択、2020年國家兩廳院(National Theater and Concert Hall,Taipei)IDEA’s LAB.参加。3月KYOTO CHOREOGRAPHY AWARDファイナリストとして長谷川寧による新作発表予定。国内外の活動を軸に新たなアジアのヴィジョンを更新すべく精力的に活動中。

村社祐太朗(演劇)

演劇作家。演劇カンパニー・新聞家を主宰。作品の特異な上演様態は<読むこと>そのものとも言われる。書くことや憶え繰り返すことを疎外せずに実現する上演を模索中。

百瀬文(美術)

1988年、東京生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。パフォーマンスを記録するための方法として映像を用いはじめ、撮影者と被写体の関係性のゆらぎを映像自体によって問い直す作品を制作している。主な個展に「I.C.A.N.S.E.E.Y.O.U」(EFAG、2019年)、「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1、2014年)、主なグループ展に「彼女たちは歌う」(東京藝術大学美術館陳列館、2020年)、「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016年)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、韓国国立現代美術館、2015-16年)など。2016年度アジアン・カルチュラル・カウンシルの助成を受けニューヨークに滞在。2019年にイム・フンスン氏と共同制作した「交換日記」が全州国際映画祭(JIFF)に正式招待されるなど、近年国内外で制作や発表を重ねている。

(Photo: yixtape)

渡辺はるか(OrganWorks)(コンテンポラリーダンス)

1993年、神奈川県出身。5歳より踊り始める。現代舞踊部門にてコンクールに出場する傍ら、中学生の頃より鈴木千穂にコンテンポラリーダンスを師事。立教大学現代心理学部映像身体学科を卒業。大学在学中に平原慎太郎氏に出会い、OrganWorksに所属、作品に出演、振付アシスタントとしても活動。

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