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Marita Liulia "Golden Age"

あらゆる困難を生き抜く、しなやかで強い信念。マリタ・リウリアと考える、黄金時代。
2019.1.5-1.17
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English Information HERE

スパイラルは、フィンランドを代表するアーティストの1人、マリタ・リウリアの個展を開催しました。

幼少期に火災や病気など様々な困難に遭いながらも、病室で空想を広げ、スケッチを綴っていたマリタ・リウリア。貧しい家庭に育ちながらも、無償で全ての教育が受けられるフィンランドの環境に恵まれ、大学では美術と政治などを学び、ジャーナリスト、経営者、そしてアーティストとしてキャリアを開拓してきました。以来、舞台芸術、絵画、メディアアート、写真など多彩なジャンルに取り組み、常に時代をリードする表現を世界中で発表し続けています。

2016年に、フィンランド郊外にあるSerlachius Museum Gösta(セルラキウス ミュージアム ゴスタ)にて大規模個展「Golden Age」を開催。100点以上に及ぶ絵画、写真、映像作品などの新作を精力的に発表するマリタは、まさに作家としての円熟期=黄金時代を迎えています。

国にとって、個人にとって、「黄金時代」とはどのようなものなのか――。

日本をはじめとする様々な国で、人々は道標を見失い、孤独に陥っているようだと語るリウリア。経済恐慌、自然災害、宗教、そして難民など世界が抱える問題に対し、アートができることとは? 彼女は問い、思考を促します。

本展では、会期中にリウリア本人が会場で公開制作を行いながら、来場者と交流を図ります。日本フィンランド外交関係樹立100周年にあたる本年。国を超え、ジャンルを超え、時を超え、様々な荒波を強い信念を盾に、しなやかに生き抜いてきた女性アーティストと共に、語らい、考える貴重な機会を創出しました。

本展は、フィンランドでの「Golden Age」展をベースに、《Tokyo Series》と題する新作も含めて構成し展示しました。

■本展の見どころ

タイトルの「Golden Age」には3つの意味が込められています。

1つ目は、アーティスト自身における「黄金時代」です。マリタ・リウリアは、1980年代にアーティストとしてのキャリアをスタートさせ、以降世界各国で経験を積み、今まさに作家としての円熟期を迎えます。出展作品は、絵画、写真、映像と今まで積み重ねてきた作品からの応用が見られることでしょう。

2つ目は、素材としての「金」です。本展に出展する絵画作品は全て、最初にキャンバス一面に黒い溶岩の顔料が塗られることから始まります。今にも吸い込まれそうな暗黒をベースに「金」を主とした絵の具で描き出される絵画。黒と金の対比に目を奪われることでしょう。

3つ目は、フィンランド美術界の「黄金時代」です。1917年にロシア帝国から独立したフィンランドで、アーティストたちが自国のアイデンティティを強く打ち出そうと活動をした時期が第一の黄金時代、そして、1960-70年代、経済発展と福祉社会の確立を遂げ、フィンランドが世界に名を馳せる国に発展した時期を第二の黄金時代とマリタ・リウリアは捉えています。そして、第三の黄金時代はいつなのでしょうか?

国にとって、個人にとって、Golden Age:黄金時代とは何なのか。経済恐慌、自然災害、宗教、そして難民など、世界が抱える問題に対し、アートができることとは。彼女は問い、思考を促します。

■展示風景

《Lampedusa》(2015), Acryl, pigments, lava and gold leaf on canvas. 180 x 540 cm, Serlachius Art Foundation
《Black Planets》(2015) Acryl, pigments, lava and gold leaf on canvas. 185 x 555 cm
《Helmiriitta》 (2016) Photograph 40 x 60 cm
本展特別企画 New Year's Fortune Telling マリタ・リウリアのメッセージが綴られたおみくじを会場で引くことができます。(※本おみくじは有料です。)
■ 関連イベント
【TALK】ギャラリーツアー 
マリタ・リウリアが展覧会を解説しました。
日時:2019年1月5日(土) 14:00―15:00
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
【TALK】 アーティストトーク 
担当キュレーターを交えディスカッション形式で、展覧会について解説しました。
登壇者:岡田勉(スパイラル シニアキュレーター)、マリタ・リウリア(アーティスト)、パウリ・シヴォネン(セルラッキウスミュージアム館長)
日時:2019年1月10日(木)18:00―19:00  
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
【EVENT】 Spiral Art Lounge Boca with Marita Liulia 
アートと暮らす上質な生活空間を提案するプレミアムギャラリーであるSpiral Art Loungeに、マリタ・リウリアを迎え、トークと作品の販売しました。
日時:2019年1月11日(金) 19:00―21:00 
会場:スパイラルルーム(スパイラル9F)
Spiral Art Lounge
【TALK】関連トーク
「Golden Age」展のスパイラル巡回に際し、セルラッキウスミュージアムのパウリ・シヴォネン館長をお迎えし、特別トークを開催。ヘルシンキから250kmほど離れた場所に位置するこの博物館が様々なアワードで表彰され、人々に愛されるようになったその理由とは?アートツーリズムが注目を集める現在、北欧のミュージアムが展開する戦略についてお話を伺いました。
登壇者:パウリ・シヴォネン(セルラッキウスミュージアム館長)
日時:2019年1月12日(土) 15:00―16:00 
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
【WORKSHOP】 マリタ・リウリア展で『こども哲学』しよう!
小学生を対象に、展覧会を鑑賞しながら自分の考えを言葉にして、作品を共有する楽しさを体験するワークショップを開催しました。
日時:2019年1月14日(月・祝) 14:00―15:00  
企画協力:NPO法人 こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ
参加無料/事前申込制
イベントレポート
【COMMERCIAL EXHIBITION】 MINA-TO Art Wall Marita Liulia
マリタ・リウリアの小作品販売
期間:2019年1月5日(土)―1月17日(木)
会場:MINA-TO(スパイラル1F)
■ 関連企画
【NAIL DESIGN】 amoem nail salon Seasonal Design inspired by Marita Liulia
指先にもアートを。マリタ・リウリアの作品世界をイメージして、ゴールドを基調とした華やかかつモダンなデザインです。
期間:2018年12月1日(土)―2019年 1月17日(木)※火曜定休
会場:アモ園 ネイルサロン(スパイラル7F)
http://www.amoem.jp/
【CAFÉ MENU】マリタ・リウリア展 スペシャルメニュー
「Golden Age」展をイメージした期間限定メニューが登場しました。
期間:2019年1月5日(土)― 1月17日(木)
会場:スパイラルカフェ(スパイラル1F)
■ 開催概要 

マリタ・リウリア展「Golden Age」
     
会期:2019 年 1 月 5 日(土)―1 月 17 日(木) 11:00―20:00     
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
入場無料
お問い合わせ:03-3498-1171(スパイラル代表)

主催:株式会社ワコールアートセンター
企画制作:スパイラル
企画協力:Serlachius Museums
後援:フィンランド大使館・東京、フィンランドセンター

■ プロフィール

Marita Liulia(マリタ・リウリア)

フィンランドを代表する現代美術作家。フィンランドのヘルシンキとヘイノラを拠点に活動。ヘルシンキ大学で文学と政治史を学び(BA、1986)、アアルト大学でビジュアルアーツを学ぶ。メディアアート、絵画、写真、ステージパフォーマンス、短編映画、書籍、ゲームなどその表現方法は多岐にわたる。世界50カ国以上で展覧会を開催、20カ国以上の大学で講演を行なう。2004年にアアルト大学(フィンランド)から初のアーティスト・イン・レジデンスの招待を受ける。主な個展をKiasma(ヘルシンキ)、フィンランド国立美術館(ヘルシンキ)、アモスアンダーソン美術館(ヘルシンキ)、原美術館(東京)、Conde Duque(マドリード)、バンコク国立博物館(バンコク)、ノイムンスター修道院(ルクセンブルグ)で開催。パフォーマンス公演は、ヴェネツィア・ビエンナーレ、Théâtre du Châtelet(パリ)、The Joyce Theater(ニューヨーク)、J.F. Kennedy Center(ワシントン)、国立オペラ座(フィンランド)などで実施してきた。The Prix Ars Electronica in Austria (1996) 、The Prix Möbius International in France (1996, 1999)、The Finland Prize、The Finnish Cultural Fund Prize、Erik Enroth Prize、Stina Krook Foundation Prize (2008) など権威ある賞を多数受賞している。2018年、フィンランドの芸術家に贈られてきた最高位の勲章「プロ・フィンランディア・メダル」を受章。https://www.maritaliulia.com/

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